筆記具、お好きですか?

 基本的にこういった書き物はパソコンで作業している。
 振り返って考えてみると、意外に手書きで文章を書いていたことは少なく、文章を書くことが仕事になった頃にはすでにワープロやパソコンを使っていた気がする。
 
 手書きが悪いとは思ってはいない。
 手書きの方が向いていると感じている人だって少なからずいるだろう。
 ただ、私に限って言えば、筆圧がとても高いので、書き物をしているうちに腕が疲れてしまうのだ。
 さらに、手書き文字を褒められることが最近増えた気がしているが、自分では決してきれいな字ではなく、悪筆だと思っているので、自分だけが読むならともかく、人様に読ませるのに抵抗があるというのもある。

 そうは言いながらも、手書きをまったくしないわけではない。
 予定やちょっとしたメモなど、スマホのアプリやパソコンで残せそうなものを手帳に書くようにしている。
 こうした方が、頭に残りやすいという感覚があるからだ。
 そんなこともあって、筆記具には少々こだわりがある。

 まず、シャーペンだが、もう20年以上前に買ったクレージュの1000円したかしないか、というペンを愛用している。
 これを超えるシャーペンに出会っていないのも一因ではあるが、書いているときのグリップの感じといい、バランス具合といい、本当に書いていて「しっくり」来るのだ。
 
 そして、つい先日、バレットジャーナルという手帳メソッドの開発者の本を読み、改めて実践しようと思って手帳を購入した。
 その手帳に合わせてボールペンをAmazonで探すことにした。
 正直、自分はボールペンについて特にこだわりはないと思っていたので、5000円前後くらいの評価が高そうなヤツでいいかと思って眺めていたのだが、ふと目に入ったのがモンブランのボールペン。
 お値段は周りに表示されている数千円のボールペンとは一ケタ違う、35000円。
 これを見て、ハタと気がついたのだ。
 筆記具の王様、究極と言えばモンブランだよな、と。
 ということで、自分の財布事情をさておいて、いろいろモンブランのボールペンを物色した結果、最初に見たそれを購入し、昨日届いた。
 まだ文章は書いていないのだが、試し書きをして一瞬で分かった。
 今までに体験したことのない書き味。
 筆記具の王様、そして値段に見合っただけの価値はあるな、と思った。
 多分、モンブランのこの書き味を知ってしまった私は、安いボールペンではもう我慢できないだろう。

 このように筆記具に並々ならぬこだわりがあるのだが、パソコンでも同様で、マウスはともかく、キーボードにはこだわりがある。
 パソコンにおけるキーボードは、唯一無二の入力手段である。
 手書きで前に書いたようなこだわりがあるだけに、キーボードも打鍵のしやすさや打鍵感など、千差万別。1000円以下で買えるキーボードでいいという人もいれば、日本国内では入手できないキーボードじゃないとダメ、という徹底した人だっている。
 私はMacユーザーなので、歴代のMacのキーボードが基本的にどれも好みだった。
 だが、PFUのHappy Hacking Keyboardを使うようになって、世界が変わった。
 これほど打鍵感と入力しやすいキーボードがあったのか、と。

 買って4年ほど経つが、キーボードの上にコーヒーやビールをぶちまけたこともある。それでも壊れず、この文章はHHKBを使って入力している。
 2万5000円と、キーボードの中では破格の値段設定だが、キーがヤレてきても交換できるように、キートップだけ販売しているなど、アフターが充実しているのもいい。
 今後もパソコンは変われど、キーボードは壊れない限りこれを使うだろう。そして、壊れても同じものを買うに違いない。

 仕事で会社から支給されたパソコンであれば、キーボードは何だっていい。
 会社でメモを取る程度なら筆記具は別に気にしない。

 でも、私的な作業で使う「書くもの」にはとことんこだわりたいのだ。

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