コロナ騒動に思うこと

 2月の末頃だったか。
 日本で最初に新型コロナウイルスの感染がどうこうという話が出たのは。
 以来、丸2カ月が経過し、3カ月目に突入してしまった。

 簡単に世の中の話をすれば、最初は1人の感染者が入国したところから始まり、ウイルスの感染源となった武漢から日本人を引き上げるチャーター便を出した結果、そこからも感染者が発生し、それで気がつけば2カ月ちょっとで1万5000人まで感染者が増えているのが今。

 やや手遅れ気味に「緊急事態宣言」なるものを発令し、ただただ「外出するな」「人混みに入るな」と繰り返し言い続けて、結局さほど事態は好転していない。

 その辺は個人的にどうでもいいと思っている。
 なんやかんや言って、罹る人はどうやっても罹るし、罹らない人はどうやっても罹らない。
 そんな風に世の中できているものだ。
 
 それよりも、不要不急の外出を毎日している私が思うのは「人ってこんなにも少なくなれるもんなんだ」ということ。
 横須賀なんて中途半端な片田舎だが、それでも休日になれば街中には相応に人出はあるし、車も多い。私はカフェでのんびりするつもりで街中へ出てくるわけだが、普段なら席を取るのも一苦労、くらいまである。
 
 が、このコロナ騒ぎで、平日より休日の方が人が少ないという逆転現象が起きている。
 特にこのGWは休みにもかかわらず、ほとんど人がいない。
 街中だけでなく、電車も上り下り両方でまばらに人がいる程度だ。

 私は国や自治体の長が「外出するな」って言う程度で、外出が収まるものか、と思っていたのだが、良い方向に裏切られたというべきか。
 こんなに効果を発揮して、外出が控えられると思っていなかったのだ。
 
 かく言う私は、「コロナがヤバい」と言われ始めた頃から今の今まで、一貫して変わらない生活をしている。
 もっと言えば、今年の初めからまったく変わらない生活をしていると言ってもいいだろう。
 ひとつ変わったことと言えば、「緊急事態宣言」が出るか出ないかくらいのタイミングからマスクをして外出するようになった。
 それまではマスクすらしていなかったのだ。
 もっとも、カフェに入ってしまえばマスクをしてコーヒーは飲めないし、ケーキは食えないし、タバコも吸えないのでマスクは外してしまうのだが。

 外出をしていない大半の人たちは、何を思っているのだろうか。
 外出したからと言って、「必ず」感染するわけではない。
 外出したからと言って、「必ず」感染させるわけでもない。
 その辺はうっすら思っているのだろうか。
 
 あるいは、お上のお達しなんで、素直に従ってみた、というセンもなくもない。
 これはむしろ怖い。
 お上の言うことに盲従してしまうのは、お上の言いなりになるということで、たとえどんな不利益なお達しでも「お上が言うから」と従ってしまうのは危険だと思うのだが。
 日本人は同調圧力の強い国だ。
 それだけに「オレがやってるんだから、お前もやれ」という暴論がまかり通ってしまいやすい。
 その辺は恐怖を感じる。

 などと難しい「思想的」なことを語ってみたが、本当はそんなに難しいことを難しく考えているわけではない。

 昼間、14時とか15時という人が多そうな時間に、街全体が死んだようになっているのは、むしろ歓迎したいところだと思っている。
 人混みが嫌いな私としては、わざわざ混んでいるところに行ったり、行列したりするのが大嫌いだ。
 だから、行った先々に人がいないとホッとするまであるのだ。
 
 人は環境によってこんなにも引っ込んでいられることがわかった。
 半世紀生きてきて初めて知ったことだ。
 コロナには早々に終息してほしいものだが、働き方や人の動きというものを見直す良い機会になっているとも感じる。
 
 これを教訓に、私のようなひねくれ者だけでなく、万人が不快な人混みを体験せずに済むような世の中に生まれ変わるといいのではないだろうか。
 

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