【映画感想】『花束みたいな恋をした』クリスマスプレゼントに見る時代と未来
瑞々しさ大洪水の大学生の恋から、新米社会人の苦みばしる恋愛後半期とその一年後を描いた青春映画。
2021年の大ヒット作、生涯で本を3冊しか読んだことがないうちの甥(大学3年生を二留中)も当時「観た方がいいよ」と言ってましたっけ。
麦くん(菅田将暉)と絹ちゃん(有村架純)のストーリーはもうご存知の方も多いでしょう、割愛するとして、ジュエリーとアクセサリーのシーンから観る考察を少々。
え?ジュエリーなんて出てきた?と思われる方も多いのでは。時代は2016年から2020年。この時代のレトロ趣向(文庫本や映画が好き)の大学生たちは本当にジュエリーを着けてない。
確認できたのは(絹ちゃん)
① 小さい透明な石?のプチネックレスと小さなゴールドのフープピアス
海デートにて
パーカーによく似合ってとてもかわいい。この組み合わせはその後、スーツのときにも登場
②真珠のネックレスとピアス
2人で参列した先輩の告別式にて
ちなみに真珠のネックレスの長さはワンピースの丸首より数センチ上に沿うような丈が正式とされてます。絹ちゃんのはベストです
③パールとビーズのネックレス
2人で参列した友人カップルの結婚式にて
レースの赤いレトロなワンピースによく似合うアクセサリー。このあとの展開が、、もう、、
つまり絹ちゃんは、儀式の時はきちんとします、それ以外は、ま、主張しないやつを少々という具合。
2人で過ごす初めてのクリスマス。せーの、で開けたプレゼントは何だと思いますか? これ、バブル時代ならプチジュエリーでしょう、ティファニーのオープンハートがどれほど流行ったことか。
さて、答えはイヤホン。ワイヤレスでなく有線のもの。2人ともがこれを偶然に相手にプレゼント。賢者の贈り物じゃないんだから。
本当に趣味が合致していた(過去形)2人は、本も映画もお笑いも食べ物も齟齬がない。物欲も薄い。
それが麦くんが就職し仕事人間になっていくに連れ溝がV字に開いて行く。クリスマスに麦くんは「買い物とか行かない?」と聞き、絹ちゃんは「映画がいいの」という。
つきあい初めの年は
「ベッドでお菓子食べながら『宝石の国』を読んだ めっちゃ泣いた」と言っていた麦くんが
「『ゴールデンカムイも』7巻で止まったまんまだし、『宝石の国』の話も覚えてないし」と絹ちゃんに怒鳴る。嗚呼、、、
そしてなるべくしての展開になった1年後、2020年のテロップが映る。偶然にふたりはカフェで再会、それぞれの新しいお相手とともに。
さあ、このあとはどうなるんでしょう?
ラストにそれは描かれない(むしろどちらもあんなことあったなー程度に振り返ってる)
でもなあ、いい組み合わせだと思うんだなこの2人。相性がいいのは間違いない。結婚に相性はかなり大事だもの。三浦友和も言ってました。ぜひ復縁してほしいのだけれど。
2人が選ぶエンゲージリングを見てみたい。きっと小さな石のはず。アンカットダイヤモンドなんて趣味に合いそうな気がする。