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コトバノチカラ ② ~3分で読めるブランドノチカラ (89)

○ 「千の言霊」
  秀吉の千人茶会
  千貫神輿
  千羽鶴
  千人針
○ 「千の逆霊」
  千人風呂


前回「センベロ」でコトバのチカラを発揮している「千」という単位について触れました。

「千」は数値単位という存在を超えて、言霊化していると私は見立てます。

その意味では「千」はもはや数値ではなく熱量のあるコトバだと思います。大袈裟ですかね。笑

半分笑い話として怒らないで聞いてやってください。


ちなみにいくつか例を上げたいと思います。


古くは豊臣秀吉の千人茶会があります。

太閤豊臣秀吉が自身の権勢をアピールするため、1587年に北野天満宮で催した大茶会のことです。

「貴賤によらず、貧富によらず」広く参加者をつのるという極めて異例の茶会で、武家町人に限らず百姓であれ、己の茶道具さえあれば、それを持ち寄り茶を立てることを認めた大イベントです。

実際には参加者は800人ほどだったようですが、いずれにせよ、それほど多くの人が一堂に茶を立てている光景は思い浮かべても圧巻です。

これが百人茶会だとすると、「まぁ出来なくはないね。場所は学校の体育館がいいかな。」程度の規模感になり下がってしまいますよ。笑

やはり「千」の言霊がオーラを放っています。

そういえば、豊臣秀吉の馬印* (うまじるし) も千成瓢箪でした。


*馬印・・・戦国武将が戦場で自分の居場所を示すために馬側などに立てた長柄の先につけた印。


自分の身近な例で言うと千貫神輿があります。

私は神田の生まれ育ちで、若い頃は神輿担ぎの会に入ってい、あちこちの神輿を担いでいました。

鳥越神社の千貫神輿は有名です。深川富岡八幡宮の宮神輿も千貫神輿でしたね。鳥越は担いだことがありますけど、これがやたらと重いんです。

千貫というのはキロで言うと3,750キロ、トンで3.75トンになります。

鳥越神社の本社神輿の重さを調べてみたら4トンの由。ほぼ千貫ですね。誇張じゃない。むしろ超えてる。

メルセデスベンツGクラスの車両重量が2トンですから、鳥越の神輿はGクラス約二台分って訳です。

神輿担ぎの肌感覚で言うと、それくらいなら担げる感じなんです。これくらいの大神輿だと担ぎ手は百人以上入りますから。一人当たり30キロ強を担ぎ上げれば良い計算です。

出来ます! (きっぱり😛)

でも「千貫神輿」と思って担ぐと、より重く感じるんですよね、これが。腰が曲がる。やはり「千」の言霊効果かもしれない。



「千羽鶴」

実は私は実際に千羽鶴を見たことないんです。

映像で見たことはありますけど、リアルに目視したことはありません。皆さんはどうですか? 

普通はあるんですかね。

それはさておき、幸福祈願、災害慰安、病気平癒祈願などで折られる千羽鶴、写真で見ると、これは実にボリューミーで圧倒されます。

もちろん皆で手分けして折るわけでしょうから、一人十羽折ったとして百人で一斉にやれば30分から1時間あれば出来上がり。一斉にやることはないでしょうけど。笑

皆の気持ちが込められている感じが千羽、つまりは二千の羽先から伝わってきます。

これにしても、百羽鶴じゃいけない。ボリューム感がなく、願いが叶う感じがしない。

やはり千の力、千力 (せんりょく) が大事ですよ。



千人針

第二次世界大戦まで日本で多くあった、武運長久を祈って、多くの女性が一枚の白い布に、一人ひとつ赤い糸の結ぶ目を縫い付けて、出征兵士に渡す御守りの「千人針」。

これをリアルに見たことのある人は殆どが既に物故者ではないでしょうか。

日本がハワイ真珠湾攻撃で太平洋戦争の口火を切ったのは1941年、この頃20歳の女子はもう100歳を超えていますから。

死ぬかもしれない戦地に向かう近隣の男性に送るわけですから、これこそホントに思いが込められています。

切れば血が出るような、千人針の布地。

千の言霊が想いを加速しています。


現実的な有様は別として、なにかスケールの大きさ、重さ、人の思いの深さが「千」と付くことによって迫ってくる気がします。


最後に「千」が付いているのにスケール感を毀損してしまっていると私が思う、残念な例をご紹介します。


それは「千人風呂」です。


ググると幾つか千人風呂を謳う旅館が出てきます。


写真を見ますと、いやこれは千人風呂と称するには全然小さいだろとすぐわかります。


某旅館の千人風呂は、奥行き20mの幅5mと書いてある。

100㎡です。


一人1㎡で百人。百人ならなんとかなるか。百人風呂。


いやいや、一人1㎡は嫌です。


肌と肌がくっつくようなスシ詰め風呂…絶対嫌!



というわけで、「千」は逆効果のチカラを発揮する場合もあるんですね。


これを逆霊 (ぎゃくたま) と名づけたいと考えます。笑



最後に。

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