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コトバノチカラ~3分で読めるブランドノチカラ(88)

  • SONY WALKMANのネーミング効果

  • パワーワード四選について解説
    おひとり様
    草食系男子
    ソロキャンパー
    千ベロ


ブランディングを構成する要素の一つに、ネーミングがあります。

当たり前のことですが、全ての商品・サービスは独自のネーミングがされているわけです。

私のようなシニアになると、「アレ」とか「ソレ」とか言い出してしまいますけど、ちゃんと名前があるんです!ってメーカーのひとに怒られちゃいますね。

でも、メーカーさんには悪いんですけど、ホントに記憶に残らないネーミングって多いんですよ。というか、「アレ」も「ソレ」も名前は殆ど覚えてない。笑

稀に凄く記憶に残り、ブランド世界が頭の中で拡大していくような秀逸なネーミングがあります。

そうしたネーミングの持つブランディング効果について考える時、私が最初に思いつくのが、SONY のウォークマン、WALKMANです。

SONY WALKMAN

カセットテープといっても若い人たちには分からないでしょうね。
百聞は一見にしかず。写っているのがカセットテープです。録音メディアのハードですね。



カセットテープ再生機器は録音再生するものというのが常識だった1979年に、SONYが再生のみの独創的なこのステレオカセットプレイヤーを新発売しました。

しかもヘッドホンが付属で付いていたからビックリ。
つまり外で歩きながら聞いて下さいってことです。

今では当たり前になった外を歩きながら、自分だけの音楽をヘッドホンで聴くという行動様式は、50年以上前の当時ホントに画期的だったんです。

どれだけこれが凄いことだったかについては当ブログの (62) の回で書きました。

で、製品名はWALKMAN。これ完璧に和製英語ですよね。

英語で歩く男というなら、Walking manですよ。
でもWALKMAN。

和製英語ですが、このヘッドホンが付属する製品とネーミングを見て、ひとは直感します。

これで外を歩きながら、テープに録音編集した自分の好きな音楽を聴けるんだっ!てことを。

自分が「WALKMAN」になるわけですね。



さて、製品サービスのネーミングとは違いますが、今回お話ししたいのは、「コトバのチカラ」なんです。


言霊 (ことだま) って表現がありますよね。自分はこの言葉好きなんです。


言霊って言葉に宿るチカラのこと。


言葉の力が良い事や悪い事を引き寄せるという日本の伝統的な考え方です。


そういうスピリチュアルな話ではないんだけど、その言葉を聞くとイメージが勝手に広がっていく、そんな言葉って確かにあります。


パワーワードと言う表現がありますが、今回は自分が感じる最近のパワーワードをいくつかご紹介しますね。


其の一  おひとり様

これって元来はお店側が使っていたコトバじゃないかなぁと思うんですけど、今は自分で使いますよね。

今晩はアタシあのビストロでおひとり様なんだ…とか。

昔は一人で食事に行くと、「寂しいやつ」だと揶揄されたものです。まぁ酷い時代ですけどね。

「おひとり様」と自ら言うことで、正当化されるというか、それが何か?的な毅然とした感じがしてくるんです。

私の好きに生きますけど…Leave me alone 的な強い意志を感じます。

まぁホントは二人以上も楽しいよと思うんですけどね。


其のニ  草食系男子

争いを好まず、控えめで心持ちが優しい男子のことを指すコトバ。

この言葉の生みの親である編集者の深澤真紀さんは、本来不殺生を是とする仏教思想に基づいてポジティブな意味での若い男性の括りを意味したかったそうです。


しかしコトバは一人歩きするんですね。「女性に興味がなく」「争いを避ける」弱々しい若い男性といったネガティブなイメージをこのコトバは拡散しているようです。


逆を意味する「肉食系」という言葉も出てきました。
草食系へのアンチテーゼ・ワードですね。

「必要悪」として認められたい意識が生んだ言葉なんだと思います。

体育会系という言葉に似た匂いがします。

「自分体育会系ですから」と言って細かい事はやらない。お金の計算しない😛。つまり免罪符ワードに使ってる。

ちなみに、あなたは「自分、肉食系なんで」と言って、男性遍歴、女性遍歴を正当化してません?

または「自分肉食系なんで」と言って、文字通り年中焼肉行ってません? しかも「おひとり様」で。笑



其の三  ソロキャンパー

おひとり様のキャンピング版ですね。

ソロキャンプは芸人の「ひろし」がYouTubeでその模様を開陳して話題になったのがキッカケと言われますが、実際には複数のYouTuberが1人でキャンプする動画をアップして認知されるようになっていたようです。

わたしはソロキャンプって聞くと、山奥で独り火を起こし食事を煮炊きして、夜には焚き火を見つめながら静かにコーヒーかウィスキーを味わうという、何か自分と向き合う時間を大切にしているナイスガイのイメージが頭に浮かんできます。ポジティブ・イメージです。

でも実際にはソロキャンプは中々ネガティブな面もある由。

山ではクマや猪が出没するので、怖いですよ。

また、女性ソロキャンパーは男性キャンパーに絡まれたりとか、セクハラ被害も少なくないようです。おソロしい…失礼しました。


其の四 千ベロ

千円でベロベロに酔う行為、酔える店をさします。
東京都北区の赤羽駅周辺は千ベロの聖地だとよく言われますけど。聖地ですか…笑

この言葉を聞くとまさに千円でベロベロになって道をフラフラと歩く男性の姿がアタマに浮かんできます。

千円というのが絶妙です。一万円を出すような、万ベロじゃあ、ダメです。一万も出せばそりゃベロベロになれますよ。笑

五百ベロもダメ。呑んでるそのお酒大丈夫か?とか、そのやきとり、ホントに鶏の肉か?って心配になっちゃいます。

千という単位にチカラがあるんですね。

センベロの聖地赤羽…この惹句に引き寄せられてくる人たちが現に多くいるようです。

「千」の持つ言霊。笑


これについては次回深掘りしたいと思いますので、楽しみに。

楽しみじゃないか…笑


最後に。

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