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【部下を推す話】[22] ファンサ

部下A、部下B、それぞれに会えない5日間が経過した。

部下Bには先日久々に会った。

「会いたかったよ」

と伝えれば、

「わたしもですー!」

と言ってくれた。可愛い。
例え本心からじゃなくてもいい。可愛いから。
あと、気を遣ってくれたことが嬉しい。


そして、本日久々に部下Aに会った。

「会いたかったよ。」

と伝えれば、

「はははっ」

と返して来てくれた。本当にAはブレない。それでこそA
疲れているように見えた為、「元気が無いようだけど、大丈夫? 無理してる? それとも機嫌良くない?」と聞いてみた。
「えっっっ! 全然大丈夫です」と言うので、久々過ぎてわたしの中のAが若干美化されていた可能性がある。我ながら非常に危ない。


そう。Aはこういう人だった。
若干慣れて来たからだと思うが、最近のAは淡々と本音を語ってくれるところがある。
分を弁えつつ正直に話してくれる。そこが尊いのだ。

なので、ついでにそんな本人に「先日のバス停で小さく手を上げてくれたように見えたの、故意ですか、偶然ですか」と聞いてみた。
(【部下を推す話】[21] 参照)

「通り過ぎてから『ねこのさんだ』って反応したので、たぶん偶然です

知ってた。

こーの正直者め⭐︎
そんなことだろうとは思っていた。

手を振ってくれてたのは気付いてたんですけど、と言うAに答える。

「こっちは見えるけど、外から見たら動いてるし暗いし視認されてないかなーと思ってた。
何より、性格的にAが手を上げてくれたりするか?って思って。」

偶然なのか自分の意思で手を上げたのか気になったので聞いてみました、と言うわたしにAはトドメを刺す。

「するにしても一礼ですね」

それも知ってた。

そしてふと気付く。気付いてしまう。

ーその一礼すらされていないな?


わたしの中で某錬金術師が「君のような勘の良いガキは嫌いだよ」のたまい始めた。
主役の国家錬金術師の兄弟に引導を渡される前だが、既にこの時点で軽くオーバーキル気味である。

-気付かなければまだ幸せだったものを。

そんなことを思ってしまう。


まぁ本人が「通り過ぎてから気付いた」と言っているので、その気はあったのかも知れない。
そう思わないとわたしが立ち直れない。

尚、反応する気があったのか否かについて問う勇気はわたしには残っていない。
否と言われれば、わたしには《今から全有休を取り引き篭もる》選択肢一択しか残らなくなってしまう。
わたしはHP0間近で毒の沼に突っ込む程ドMではない。

とは言え、「これは他言無用でお願いしたいんですけど」と言いながら色んなことを話してくれるので、嫌われてはいないし信頼もしていただいているだろう。それならそれで良い。

でも願わくば。

-頑張るわたしに推しからの供給を下さい。

悲しきオタクの性である。

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