『ひとりでいく』の多重露光
『ひとりでいく』は、鎌倉に住む関根愛が、仕事やワーケーションで訪れた遠方の街の人、食、景色との出合い、再会の中で見つけた気づき、家族と自身の過去の記憶に思いを巡らせ、著者の死生観にまで迫る詩的なエッセイだ。
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ジャンル横断的な読み物だが、まず人々の温度が、手作りの食を通して伝わってくるのが心地よい。尾道の年配の女性が「醤油めしは、ほんとうは釜で炊く。炊き上がったあと、醤油を打つ」と人生