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【細胞】”タンパク質”ってご存じですか?#4

【挨拶】

 こんにちは、catです。今回は細胞#4としまして、タンパク質について少しお話します。ここで言うタンパク質は、家庭科で出てくるような栄養素としてのタンパク質とは考え方が少し違うかと思います。それでは、ご覧ください……!


【細胞における”タンパク質”】

 細胞を観察したり、生化学的な活性を分析することは、実はタンパク質を調べることなのです。タンパク質は細胞を構築する主要成分で、細胞の乾燥重量のほとんどを占めている。細胞に形や構造を与えるだけでなく、細胞が持つ無数の機能のほとんどを担っています。

 酵素は、その複雑な分子表面を介して細胞内の化学反応を促進しています。細胞膜に埋め込まれたタンパク質は、チャネルやポンプといった器官を作り、栄養分や小分子の輸送を調節しています。その他、シグナル伝達に働くもの、物質などの移動に関わるモータータンパク質、抗体や毒素、ホルモン、凍結防止分子、弾性繊維、発光物質など特殊な働きをするものもあります。

 そのため、体の働き方を理解するには、まずタンパク質について理解する必要があります。


【アミノ酸配列】

 タンパク質は、主に化学的性質が異なる20種類のアミノ酸から構成されています。タンパク分子はアミノ酸の長い鎖であり、それぞれのアミノ酸はペプチド結合と呼ばれる共有結合の一種でつながっています。そこで、タンパク質をポリペプチドという事もあります。

 タンパク質はその種類によってアミノ酸の並び順が決まっており、それをアミノ酸配列と呼びます。あるタンパク質のアミノ酸配列は、どの分子をとっても同じものになります。例えば、ヒトのインスリン分子であれば、どれも同じ配列をしています。


【酵素】

 酵素は、体内で働く大型で極めて重要なタンパク質です。ほとんどすべての化学反応に関わっています。基質と呼ばれる複数のリガンド(酵素の結合相手)と結合し、それらを驚異的な速さで化学的な変化させて生成物をつくる反応を繰り返す。酵素は反応を促進し、速度を100万倍以上に上げるものがあります。要するに触媒の役割があるのです。細胞が秩序正しく一連の化学反応を進行させて生命を維持できるのは、酵素の触媒作用のおかげだと言えます。


【薬と酵素】

 病気を治したり、予防するために服用する薬の多くは、特定の酵素の活性を阻害することによって作用します。コレステロール値を下げるスタチンは、肝臓でコレステロールを合成する反応を促す酵素(HMG-CoA還元酵素)を阻害します。メトトレキサートは細胞分裂の際のDNA合成に必要な成分を生産する酵素(ジビトロ葉酸還元酵素)を阻害することによって、ある種のガン細胞を殺します。


【おわり】

 はい。少し短かったですが、細胞の観点から見たタンパク質と栄養の観点から見たタンパク質との違いは分かっていただけたでしょうか。

 酵素について学を深めると、怪しいコマーシャルや広告に載っている「ナントカ酵素!」に対して疑問を持つことが出来ます。私自身が深い知識を持っている訳ではありませんが……。そう言う物の中には詐欺が含まれている場合もあります。それに騙されないためにも、酵素など、生体内で働く物質について学ぶことをオススメします……!

 このシリーズで参考にしている書籍は「Essential細胞生物学 第四版」というものです。大学の講義で教科書に使われることもあります。文章は海外の物の翻訳なので、読みにくさを感じることもありますが、見やすい図や写真が載っているので、ぜひご覧になることをお勧めします。

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Twitter:@Catkamome

小説を書いています。半端ものですが、ぜひご覧ください。
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