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偉大なるお約束と、お約束を超える刺激を。HIGH&LOWシリーズについての散文





1.はじめに "HIGH&LOW"とは、またこの記事の目的 

この記事の目的は、日本を舞台にしたドラマ・映画作品であるHIGH&LOWシリーズについての紹介である。
簡単なあらすじと作品群の位置づけ、自分が思う作品の魅力についてを出来るだけ短めにまとめた記事としている。
友人達と話すとき、まあまあな人数に「ハイローはいいぞ」と勧めてきたがあんまり刺さってくれないので今回もうちょっと詳しめに書いていこうと思う。



2.簡単なあらすじ説明&WORSTシリーズの位置づけ

ストーリーの大筋は以下のとおりである。
 ハイローの舞台であるこの地は、かつて伝説の走り屋グループである"ムゲン"が支配していた。その際、たった二人でムゲンに臆することなく互角に渡り合った唯一のグループがいた。雨宮兄弟である。彼らの戦いは決着がつかないまま、突然ムゲンは解散し、時を同じくして雨宮兄弟も姿を消してしまう。
その後この地区は5つの力を持ったグループが統治することとなり、その頭文字を取って"SWORD地区"と呼ばれることとなった。

S:山王連合会 SWORD地区内の商店街山王街の治安維持の為に集まっているグループ
W:WhiteRascals SWORD地区の夜の街を支配するスカウト集団
O:鬼哭(おや)高校:SWORD地区の不良を束ねる高校。定時制と全日制の二つがあり、ハイロー本編シリーズでは定時制が主に関わることとなる。
全日制の方の鬼哭高校は一帯すべての頂点に立っているわけではなく、他の高校でも腕自慢の不良が群雄割拠しており、この辺は後述する。
R:Rude boys SWORD地区のスラム街を取り仕切る集団。皆、もとは孤児が集まって出来ている集団で、今も孤児を保護したりしている。
D:達磨一家。SWORD地区の祭りや博打を取り仕切る集団。喧嘩に目がない。

この5つのグループの力が拮抗しているためSWORD地区は安定していたが、この地域にカジノ建設計画が浮上。計画を動かしている日本最大のヤクザ組織"九龍グループ"がSWORD地区に襲い掛かる。また、その中にはあの"ムゲン"のトップだった琥珀さんの姿もあり・・・


大まかなストーリーはこんな感じである。作品群としてはテレビドラマがシーズン2まであり、その後の完結編が劇場版で3部作と続く。またスピンオフもいくつか作られており、MCUさながらの大作品群となっている。
そのスピンオフの中でも「HIGH&LOW THE WORST」は鬼哭高校の全日制をメインにした作品となる。ハイロー本編が各勢力色々な想いを胸に巨大犯罪組織九龍グループに立ち向かう話であるのに対し、こちらは「高校の中でテッペンを取る」という青春群像劇の趣きが強い(もちろん悪も出てくるんですが)。
友情とぶつかり合い、どちらもハイローの魅力であるので本編を観てない人でもその雰囲気は十二分に伝わるものと思う。


3.作品を通して現れるお約束と、それがもたらす安心感について

ハイローについての魅力は、僕にとっては大きな「お約束」である。ストーリーを通して描かれる危機は分かりやすい巨悪であったり、主人公格や中枢メンバーはいがみ合っていても一戦交える(ケンカする)ことでお互いを認め合う”強敵(ともと読む)”になり、手を取り合って打倒すべき巨悪があり、基本的には誰も命を落とさない。行われている展開は少年漫画のソレであり、ワンピースの世界である。作品内の環境を作った状況や現実性は置いておいて仲間のために命を張る、そんな物語が展開されていく。ワンピースであり、キャプテン翼であり、ろくでなしブルースであり、東京卍リベンジャーズである。そこには哲学的課題や現実世界へのクエスチョンなんていうフックなんてなく、ただ娯楽として手垢のついた表現が折り重なっている。近いものとしては90年代のヒーローアクション映画とかである。そしてそれでいい。
コマンドーのメイトリクスに哲学的課題をワザワザ見出すこともない。ケイシー・ラインバックの強さに現実性がなくてもいい。そういう事ではないのだ。
SWORD地区のトップを張っている面々は喧嘩が強い。しかし前述したムゲンの元リーダー、琥珀さん(演:AKIRA)は鬼のように強い。割とセガールクラスまである強さなのだ。でもそれがいい。そうしたお約束が、リラックスした状態でハイローを楽しめる理由にもなっている。


4.その安心感から逸脱する映像表現としてのハイローについて

ただお約束、それだけではただの凡百の娯楽作品に埋もれてしまう。ここでハイローがハイローとなるのは、そのアクションシーンの切れの良さである。演者は基本的に劇団エグザイルやその関連の人々で固めてあるため、体が普段からできている人で構成されている。そのためなのかは分からないがアクションのダイナミックさ、かっこよさは邦画界では群を抜いている。また大人数のぶつかり合いを俯瞰で回しながらみせるカメラワーク、各勢力が持つテーマソングをはじめとした楽曲のカッコ良さ、一度見たら忘れられないボンネットに寝そべりながら戦場に駆けつける発想、とにかく映像としてのカッコ良さ、情報量が素晴らしい。
 その雰囲気はどの作品から入っても楽しめる。どの作品から観ればいいんですか?と私が聞かれた時、どこからでもいいと回答しているのはこのためである。どの作品でもそのカッコ良さは備わっている。安心してストーリーという幹を気にせず、映像作品としての”ガワ”を味わってほしい。
 

5.最後に

本記事は以上となる。
長々と書いたが要は「めっちゃカッコいいから酒飲みながら頭空っぽにして楽しんでくれ」ということです。かっけーんだ。
私の推しは日向紀久。D.達磨一家の頭領です。通称狂犬。車でウイリーしてたりボンネットに寝そべって登場してくるのがカッコいんだ。
WORSTだと鳳仙学園の四天王・小田島有剣が推しです。なんか色気が・・・色気がすごい!(語彙力)
ということなので、言いたいことは書いたつもりなのでこの辺で終了とします。あとはwikiとか公式とかみてくれ。それじゃ。


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