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原風景だったものと、ショーアップされたものと。/.doto感想/

.dotoという、北海道の道東地方を紹介するアンオフィシャルガイドを先日ツイッターで知った。

これは道東に住んだり、道東の魅力を伝えたい有志がクラウドファンディングを行って出来たものだ。それが数ヵ月前完成した。友人が道東に旅行を考えていて、道東出身の自分に見所を聞いていた矢先だったので、友人に.dotoを紹介した。


紹介した手前自分も読まなきゃなという義務感が半分、自分の地元がどう紹介されているのかが気になるのが半分という気持ちで自分も購入した。

記事の感想の前に自分の話をする。自分は道東の阿寒という釧路市の一部に生まれた(自分が生まれたときはまだ釧路と合併せず、阿寒郡阿寒町だった)。それから約20年大学で室蘭にいくまで、道東で暮らした。大学を卒業した後は東京で就職し10年近くになる。父が他界し親戚付き合いも減った。ほとんど地元には帰っていない。

子供の頃からある景色や四季、自然に対してあまり興味を持たなかった記憶がある。当たり前にありすぎたためか、自分の感性が鈍かったためかは分からない。庭の紅葉が紅く染まり四十雀が餌箱についばみに来ていた事より、四畳半のモニターに写し出されていたファイナルファンタジータクティクスの物語の方が鮮明に残っている。よく自分の山を見せてくれていたお爺ちゃんには悪いけども。

そんな自分が道東に抱くイメージは、失礼ながら死の街というものだ。靄のかかった釧路湿原とドーナツ化しきった釧路の駅前の風景がそう思わせているのだと思う。少子高齢化の波が拡がり、新しく作られるものは老人ホームとコンビニ。イトーヨーカドーは少し前に閉店した。地方都市の典型例である。


さて、.dotoである。アンオフィシャルガイドという名目通り、帯広や釧路、厚岸などの地方の取り組みやお店の紹介をしている。本好きのコミュニティや放送、ゲストハウスとかの紹介がメインだ。

そこに自分の知っている道東のイメージはなかった。こじゃれた創作物が並んでいる。地元の定番の店はオフィシャルガイドで紹介されるからか、敢えて取り上げていない部分もある気がした。

いや、それでいいんだけど。あくまで魅力を伝えるためのものなんだけど。自分の心証と大きく違うなと思っただけで。

このガイドを読んで道外から訪れる方がいたならば、その感想を聞きたい。自分の景色がそれらの景色とどう異なるのか。そこには自分の問題が含まれているからだ。少なくともそのギャップもあり、多少なりとも胡散臭さを感じてしまった。自分のせいなのも重々承知ではある。


冒頭の画像は道東の知人が撮影したものだ。彼は道東で生活しながら趣味の車を弄り、時折こういう写真を撮る。

彼は自分よりも近くで道東をみてきている訳で。そんな彼からみた.dotoの評も、聞いてみたい。この切り取りかたなのか、という所を。自分ならどう魅せたいか、とか。そんなことを思った。


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