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Weekly Pick UP! 2021/03/25

今週は以下のニュースを取り上げます。

1. YouTubeが医療・健康関連動画の検索を対象とする新機能を提供

Googleが、特定の医療/健康に関するトピックの検索に対して、信頼できる情報源として認定された医療機関や政府機関が提供する動画をまとめて表示する新機能の提供を発表しました(米国に続き2番目)。また、それらの動画の下部には、信頼できる情報源であることを示す医療・健康情報パネルが表示さます。

この機能は、医療情報へのアクセスの格差を縮めたり、国民の医療に関するリテラシーを高めことに繋がるのではないでしょうか。また、この取り組みの成功には、機関側の提供するコンテンツも重要になるでしょう。


2. CO2排出量と経営への影響を予測するAIツール

グリッドは、仮想空間上に現実の事業活動を再現するデジタルツイン技術を用いて、サプライチェーン上の各拠点のCO2排出量と経済的コストを可視化する"ReNom GX"というツールを開発したことを発表しました。

これまでこうしたツールはCO2排出量のみを予測するのがメインでしたが、このツールはCO2排出量と併せて、売上、利益、在庫、投資金額への影響などを可視化することができるようです。複数のシナリオにおける経営指標への影響を提示することで、最適な事業計画の策定を支援します。

CO2排出量の削減計画にスコープ3(サプライチェーン上の他社排出量)を加える大企業が増えており、そうした企業と取引のある中小企業においては対応が必須となってきています。このようなツールは、リソースの乏しい中小企業の取り組みのハードルを下げることに繋がり、SDGsの達成にも貢献していくことが期待されます。


3. 健康意識の「自分ごと化」に向けた実証実験

三井不動産と東芝は、三井不動産が提供する健康経営支援サービスである"&well"に、東芝の生活習慣病発症リスク予測AIリスク低減シミュレーションの機能を導入して、無関心層の健康意識向上を目指した実証実験を開始すると発表しました。

生活習慣病発症リスク予測AIは、1年分の健康診断結果から5年後までの生活習慣病の発症を予測する機能です。また、その発症リスクを任意のレベルで低減させるための目標体重を計算するのがリスク低減シミュレーション機能です。これら2つの追加機能によって、疾病リスクを可視化・顕在化させ、無関心層にも健康意識の自分ごと化を促すとしています。

努力に応じて目に見えてリスクが下がっていけば、ゲームのような感覚で取り組めるかもしれません。運動やダイエットの効果の分かりづらさや、健康診断結果の解釈の難しさを解消する上手い工夫なのではないかと思います。

実証実験は&well導入企業の社員300人を対象に行われ、開始4ヶ月後の行動変容の効果が確認されます。


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