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ウォシュレットより断然「ビデ」!

よく日本の方から「イタリアにはウォシュレットは普及しないのですか?」とか「トイレの横にある、あの設備はなんでしょう?」みたいなことをよく尋ねられる。
イタリアの3星以上のホテルに宿泊すれば、大抵のホテルにこのビデが設置されている。なんせイタリアの建築基準法では、家の中の1つのバスルームには最低でも4つ以上の衛生設備を設置する必要があると記載されている。
この4つとは、浴槽orシャワー、洗面、便器そしてビデが基本的な4つの衛生設備となる。近年では、ウォシュレットに相当するものがあれば、ビデがなくても許される法規になっているが、イタリア人の日常生活にビデは欠かせないアイテムの一つなので、大抵の家にはビデが設置されている。

「イタリア人はウォシュレットよりビデの方が好きなのですか?」と聞かれるたびに、私は「はい。そうです。ビデの方が使用用途が広いからです。」と答えると、日本人の皆さんは「ええ?そうなんですか?」とびっくりされる。
私もウォシュレットよりビデの方が断然好きだ。
そう言うわけで、今回はこのビデの広い用途について真面目に論じたい。

そもそも、日本にウォシュレットが普及したのが1980年代。その当時のCMに「お尻だって洗ってほしい!」と言うコピーが使用されたけれど、それまでの日本には、用を足した後、お尻を洗う習慣がなかった。が、ヨーロッパでは「ビデ」が18世紀からずっと存在していた。

このような歴史的背景からも分かるように、ビデはウォシュレットと同じく、用を足した後のお尻を洗うのが、一つの重要な用途だ。
ただその時の違いは、ビデだと「石鹸を使用して洗うことができる。」ということだ。イタリアには、実際デリケートゾーンを洗うための液体石鹸が販売されている。スーパーなどで販売されている液体石鹸で"INTIMO"と書いてあるのはこのタイプの石鹸だ。多分どこのスーパーにも20種類以上は置いてあると思う。

次は、夜遅く帰ってきた時、簡単に足やデリケートゾーンが洗える。
イタリアの若い子は通常夜、遊びに出かける前にシャワーを浴びて、身支度を整えてから出かける。そして帰ってくるのは、みんな夜中過ぎ。そんな時間にもう一度シャワーを浴びるのは面倒だから、洗顔と歯磨きのほか、簡単にビデで足とデリケートゾーンを、洗ってからベッドに入ると言うわけだ。イタリア人はとても清潔好きなのだ。

そして最後の重要な用途は。。。
男女がベッドに行く前には、シャワーを浴びるのが理想だけど、情熱的なカップルの場合、シャワーを浴びる時間さえもどかしような事態も多々ある。(笑)
そう言う時に便利なのがこのビデだ。各々が、デリケートゾーンだけ、きちんと石鹸を使用して、洗ってから、メイキングラブ。
そしてもちろん、メイキングラブが終わった後も、シャワーを浴びるか、ビデを使用して、きちんと石鹸でデリケートゾーンを洗う。
これは実際に学校の性教育の現場でも推奨している。

この最後の説明をした後に、「ではウォシュレットしかない日本では、メイキングラブの前後、どのような対応をされるのですか?」と逆に質問すると、
「日本ではティッシュを利用するので。。。」と答えられる。「ただティシュでは、雑菌を洗い流すことはできないですよね? 清潔ではないですよね?」と言うと、「まあ、そう言われると、そうですね。」とおっしゃる。

そう言うわけで、清潔好きのイタリア人にとって「ビデ」設備は、ウォシュレットでは代替えできない重要な衛生設備アイテムなのだ。



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