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リー・ワネル最新作「透明人間」はデートでおすすめのホラー映画(感想)

◆はじめに

 リーワネル最新作「透明人間」を鑑賞した。リーワネルといえば、「SAW」シリーズの脚本で名高いクリエイター。
 個人的には「SAWと書いて怖いと読む」、みたいな作品を作った人の映画なんて怖くて見れない・・・・・・スンスン・・・・・・って思ってたけど、自分の映画情報摂取源の人たちがこぞって勧めていたので即刻映画館へ。むちゃくちゃ怖くてむちゃくちゃ面白かったので感想書きますね!!!


◆あらすじ

 光学研究の第一人者の彼氏エイドリアン博士(オリバー・ジャクソン=コーエン)の支配下に置かれていた彼女セシリア(エリザベス・モス)は軟禁に辟易し、決死の思いで家を脱出する。その後エイドリアンはショックのあまり自殺するのだが、自殺したはずの彼が透明人間としてセシリアに襲いかかる。セシリアは彼が透明人間であることを周囲に証明し、危機から逃れることができるのだろうか・・・・・・。

◆一言でいうと

 人心掌握精神ズタボロホラーだが最後スッキリするから絶対デートで見てな!!!

◆感想

・めちゃくちゃ怖いよー(涙)
 「透明人間」というタイトルを聞くとなぜだかギャグやエロを想像してしまうのだが、本作はガチガチのホラー。
 清水崇の犬鳴村や高橋洋の霊的ボリシェヴィキ、三池崇史のオーディション、アリ・アスターのヘレディタリー、etcetc・・・・・・直近で見たホラー作品は1ミリたりとも怖くなかったのに(むしろゲラゲラ笑うほどだったのに)、この「透明人間」、本当に本当に怖かった!!!怖かったヨーーーーー。
 なぜってやっぱり主人公始め、透明人間じゃない普通の人々の身に、いつ、何が起きるか予想がつかないところだよね。ほんでそれを煽る、透明人間視点での撮影と音。わっかりやすく「ズーン」とか怖い音が鳴るんだよ。もう怖すぎてちびるンゴ。

・付き合う前の男女のデートにお勧め
 で、めっちゃ怖いので、私は1人で見ながら「うおーこえぇーーーーー」って思いながら目を隠したり、姿勢を低くしてなるべく見ないようにしたり(こればかりは隣の席が空いている今の映画館のコロナ対策に感謝だった)して悶えていたのだが、心底何やってるんだろう私は・・・・・・という気分になった。だから、絶対にデートで見ることをお勧めする! 
 ミッドサマーは熟練されたカップル以外見るべきでないが、透明人間はデートでベタに吊り橋効果を狙える良作や!見終わった後「感想戦しよう」とご飯にでも誘って、その場で次回デートの約束でも取り付けてみて〜〜〜!

・ホラー以外もなかなかの出来映え
 前述の通り、ホラーとしてのコワコワ描写もさることながら、脚本もむちゃくちゃ魅せる。というのも、主人公のセシリアはエイドリアンのひどい肉体的&精神的束縛を受け続けてきたので、もうとにかく憔悴してるわけ。
 そんな中彼の家脱出してしばらく経ってから透明人間になった彼に敵意を向けられ始めたので、周囲に「彼が透明人間になってる!」ってSOSを出すのだが、「お前束縛されまくって頭おかしくなってるやろ〜〜〜〜落ち着きなはれ、よしよし」ってぜんぜん信じてくれないのですよ。
 ほんで透明人間になったエイドリアンはめちゃくちゃ頭いいから、セシリア自身に危害を加えるのじゃなくて、セシリアが周囲に危害を与えているように仕向けるのでどんどん彼女は孤独になっていく。
 ホラー描写と、セシリアの孤独マシマシストーリーがやべえ!

 「自分は手を汚さずに、いかにも本人が悪いかのように仕向けて孤独に追いやる」という構図、今回は映画で「透明人間」というツールを使って表しているが、現代社会でも結構あることだなと思いながら見ると、かなり深い!
 この絶望的状態からどうオチがつくか?は自分の目で確かめてみてほしい!

・1933年に公開された「透明人間」もついでに見たから比較すると
 1933年のオリジナル「透明人間」と2020年の「透明人間」に関連事項はないように思えた。1933年版はとてもわかりやすい透明人間の力を研究によって手に入れた男の狂気。1933年版は、とにかくあの時代に透明人間状態を撮ったことが価値だと思う。
個人的には現代の闇をきちんと描いた2020年版の方が好きだな。

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↑1933年版はこの包帯を取ると・・・・・・

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↑こうなるw

ほんなら、全国の付き合う手前のそわそわしてる男女は、この映画見てな〜!

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