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なぜブランディングは失敗するのか?

ブランディングが失敗に終わるとき、それは、他人任せの希薄な責任感、必ずやり抜くという強い意志の欠如、チームのブランディングに対する姿勢に問題があることが多いと感じます。

我々も真剣にブランド戦略構築に取り組んでいるのに、途中でクライアントの上層部が自分たちに耳の痛いことを議論するため、それに耐えきれず途中で終了することもありました。

そして、最大の失敗の要因は、ブランディングとは何かを理解しないで、はじめてしまっていることです。ブランディングとはブランド戦略を構築して、戦略に基づいた戦術を策定し、それを実行していく活動です。

「ブランディングができます」という会社があるとしたら、必ずブランド戦略を作るためのノウハウがあるかを確認してください。ここを明確に説明できなければ発注しない方が良いでしょう。戦略は、ブランドの生き方の規定であり、生きる方針です。ブランド戦略がないブランディングはありえないのです。ブランディングでビジネスの出口をデザインに落とし込みたい会社は、ここの部分が弱い会社が多いと思います。要するに戦略が作れない。

当社の副社長が作られた、ニトリの「お、値段以上」や、数年前に私が作った焼肉きんぐの「焼肉は自由だ」、約10年前に作った小田原市の「良い子が育つ町」などが、キャッチコピーにもなりえたブランド戦略です。ブランド戦略は簡単には作れないのです。これらのブランドはいまでも大成功しています。その他、ブランディングが失敗する要因として、以下のことが挙げられます。

1. 自分の根を忘れるな!
- ブランドが自分のDNAを見失った日には、お客様の信頼もそこで終わりです。本物であり続けること、それが王道を征する唯一の方法。変装は一時的には楽しいかもしれませんが、長期戦では正直さが最高の武器です。

2. 売り込み過ぎは禁物!
- あまりにも露骨に商品を押し売りすると、ブランドは貪欲な怪物に早変わり。本当に大切なのは、消費者の心に響く価値を提供すること。情緒価値です。

3. 深い洞察が鍵を握る
- 表面的な情報に踊らされず、消費者の心の奥底に潜む真実を見抜く洞察力が必要です。市場の声に耳を傾け、話をよく聞く。本質を捉えることで、ブランドは真の魅力を放つことができます。

4. 変化に敏感であれ
- 時代遅れにならないためには、変化を受け入れ、新しい流れに乗る柔軟性が求められます。変わる勇気と、進化する智慧を持ち合わせて、いつでも昨日と違う新たな価値観を受け入れましょう。

5. 対話はゴールド
- 一方通行ではなく、お客様との対話を大切にする。直接的なフィードバックは金脈です。お客様の声を聞き、それを糧に成長することが、ブランドを磨き上げる過程での必須事項です。

これらを心がけ、一貫性とあくまでもリアルなデータに基づいた戦略戦術をもってブランディングを行うことで、失敗する確率を減らし、より多くの成功を手にすることができるでしょう。


続く


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