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なぜブランディングは失敗するのか?

ブランディングが失敗に終わるとき、それは、他人任せの希薄な責任感、必ずやり抜くという強い意志の欠如、チームのブランディングに対する姿勢に問題があることが多いと感じます。

我々も真剣にブランド戦略構築に取り組んでいるのに、クライアントの上層部が自分たちに耳の痛いことを議論するため、それに耐えきれず途中で終了することもありました。

そして、最大の失敗の要因は、ブランディングとは何かを理解しないで、はじめてしまっていることです。

ブランディングとはブランド戦略を構築して、戦略に基づいた戦術を策定し、それを実行していく活動です。それ以外にあり得ません。

活動をしていくわけですから、現時点からブランドまわりのものごとを動かす必要があります。

ブランディングをやっておいて、そのままステイで済むわけは無いのです。要するに今やっていることと違うことをやる。その勇気のないブランドはブランディングするべきではないのです。ブランド名やロゴ、ウェブを変えた位では動かしたということにはなりません。

ブランドの価値を再認識し、ターゲットを再定義し、ターゲットを理解した上で、ブランドがどのように認知されれば、成功パターンに持ち込めるかを考え、認知ゴールを決めます。

そして、その認知ゴールに安く早く到達するための戦略(進み方・方向性・生き方)を考えます。戦略を考えたらその戦略をもとに、具体的に実行していく戦術を考えます。

その戦術を実行しながら、PDCAを回します。この活動をずっと続けます。それがブランディングです。目的は利益を上げること、その一点。ネーミングもロゴも、ホームページの制作もその一点のために実行していきます。

「ブランディングができます」という会社があるとしたら、必ずブランド戦略を作るためのノウハウがあるかを確認してください。ここを明確にわかりやすく、納得できるように説明できなければ発注しないでください。

中途半端にブランディングを始めてしまうと、失敗してブランディングがインチキだと思われてしまいます。ブランディングと言う言葉に何の罪もありません。

戦略は、ブランドの生き方の規定であり、生きる方針です。ブランド戦略がないブランディングはありえないのです。要するに戦略が作れない会社はバッサリと切り捨てましょう。

私の師匠が担当したニトリの「お、値段以上」や、数年前に私たちが作った焼肉きんぐの「焼肉は自由だ」、約10年前に作った小田原市の「良い子が育つ町」などが、キャッチコピーにもなりえた強いブランド戦略です。

ブランド戦略はそう簡単には作れないのです。これらのブランドはいまでも成功しています。その他、ブランディングが失敗する要因として、以下のことが挙げられます。

1. 自分の根っこを忘れるな!
- ブランドが自分のDNAを見失った日には、お客様の信頼もそこで終わりです。本物であり続けること、それが王道を征する唯一の方法。変装は一時的には楽しいかもしれませんが、長期戦では正直さが最高の武器です。

2. 売り込み過ぎは禁物!
- あまりにも露骨に商品を押し売りすると、ブランドは貪欲な怪物に早変わり。本当に大切なのは、消費者の心に響く価値を提供すること。情緒価値です。

3. 深い洞察が鍵を握る
- 表面的な情報に踊らされず、消費者の心の奥底に潜む真実を見抜く洞察力が必要です。市場の声に耳を傾け、話をよく聞く。本質を捉えることで、ブランドは真の魅力を放つことができます。

4. 変化に敏感であれ
- 時代遅れにならないためには、変化を受け入れ、新しい流れに乗る柔軟性が求められます。変わる勇気と、進化する智慧を持ち合わせて、いつでも昨日と違う新たな価値観を受け入れましょう。

5. 対話はゴールド
- 一方通行ではなく、お客様との対話を大切にする。直接的なフィードバックは金脈です。お客様の声を聞き、それを糧に成長することが、ブランドを磨き上げる過程での必須事項です。

これらを心がけ、一貫性と、あくまでもリアルなデータに基づいた戦略戦術をもってブランディングを行うことで、失敗する確率を減らし、より多くの成功を手にすることができるでしょう。

ブランディングは、やれば100%成功するものではありません。ただやりながら修正をしていき精度を上げる事は可能です。

しかもその活動していくうちに、ブランドの価値を深く理解することができ、ブランドのターゲットを深掘りすることができ、そのブランドがターゲットに対してどのような価値を提供しているのかと言うブランド元来の深い価値を知ることができます。



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