ぼーっとしている新人よりも更にぼーっとしている古参

「ちょっと、ボーっと突っ立ってないで仕事してよ!」
「何もしないなら、何やればいいですかって聞いて!」
そんな言葉を吐いてくるのは大抵ガサツ族である。

皆それぞれ仕事をしている。
それぞれが忙しそうに仕事をしているのを邪魔してはいけない。最低限のマナーだ。
例えば手術をしているドクターに、「今何をすればいいですか?」って聞く新人いるか?

「今、この人に話しかけてはいけない」
新人でもそれくらいはわかるはずだ。
むしろそれがわからなければ社会に出てきてはいけない。

この人は本当にぼーっとしているのか。
それとも話しかけるタイミングを見計らっているのか。
ベテランはまずはそれを見るべきなのだが、ほとんどの人はそれをしない。

決してボーッとしているのではないのだが、「ぼーっとしている」という乱暴な言葉を使い、新人を萎縮させてしまう。「この人は話しかけるタイミングを見計らっているのだな」と見守ってくれる人の割合は0.5%くらいしかない。

人を自発的に動かせるシステムを作ることはしない。
その代わり無駄に注意し、時には恫喝し、萎縮させ、恐怖により支配しようとする。
その先には何もない。非効率の極み。
ただただ人件費、人材募集のコストがかさむだけだ。

「また新人辞めちゃったね」
「ホント最近の子はやる気ないよね」
やる気がないのではなく、古いやり方に失望して辞めていったのだよ。

■萎縮させて人を動かすのは超絶時代遅れ
早く辞めてほしいなら別だが、新人を萎縮させるメリットは何もない。
未だに恐怖で人を支配しようとする勢力は本当に気持ち悪い。
「ガラケー女とあおり運転男」と同じ血が流れているに違いない。

何をやったらいいかわからないのが新人である。
誰だって新人時代はテキパキとは動けない。
何をやったらいいかわからない新人が、何も言わずとも動く環境を作るのは会社の役目である。
適切な育成をせずに「育つ」のを期待するのはあまりにも横暴じゃないですか?

ただ単に怒鳴りたいだけじゃないの?
自分自身の未熟さを新人にぶつけるな。
何でもかんでも新人の「根性ややる気」のせいにするのはどうかと思う。

「わからなかったら何でも聞いて!」というのは、圧倒的に体育会系出身者が多い。
思考停止して先生、先輩に従えば良かった人たちは自分の頭で考えて行動するという素晴らしい習慣を完全に放棄している。
奴らはやたらと人にモノを聞いてくるし、聞くことを勧める。とにかく頭を使わない。
インターネットで調べれば一瞬でわかる電車の時刻表をいまだに電話して駅員に聞いてくるような人々だ。

ボーッとしているように見えて、物凄く空気を読んでいる可能性もある。
人に迷惑をかけたくないから自分の意思で動こうとしているのかもしれない。
新人の成長の芽をどうか摘まないでほしい。
あなたの新人時代、いきなりテキパキ動けたか?

ボーッとしているのはいったいどちらなのか。
知的怠惰は罪である。


ありがとうございます。有意義なことに使います。