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転職エージェントの存在価値について考える

皆さん、こんにちは。カタリストエージェントの勝田です。
先日、SNSのLinkedInに大変、興味深い投稿が流れてきました。それは株式会社アースメディア代表取締役CEOの松本 淳さんによる「転職エージェントの存在価値」は低下していく一方なのか?というタイトルで投稿されたものになります。松本さんと言えば、『LinkedIn活用大全』の著者としても有名でLInkedInの世界では知らない人はいないと思います。詳細は下記をご確認ください。

今回の記事ではこの投稿に触れながら「転職エージェントの存在価値」について考えてみたいと思います。


求職者DB事業者に依存する転職エージェント

この松本さんの投稿ではまず求職者DB事業者(=スカウトサイト運営会社)の更なる寡占化の方向性について触れ、その理由として求職者DB事業者にとって、転職エージェントはとてもいいお客さんであること、また、転職エージェントにとっても求職者DB事業者のサービスは求職者の「新規獲得」をする上でもはや欠かせないものになりつつあり、お互いにwin-winの関係があると述べられています。

そのような中、転職エージェントがこの関係に甘んじて、多くのエージェントが転職希望者との出会いを一部の求職者DB事業者に「完全に」依存してしまっている状況があるということを問題点として指摘されています

この指摘はとても重要です。

以前、私は「人材コンサルタントの資質で重要なこと」という記事(2024年3月6日公開)の中で有料職業紹介事業所数の推移について共有したことがありました。詳細は添付ファイルを確認ください。

これによると、有料職業紹介事業所数は平成24年度(2012年)から毎年増え続け、16,916事業所から令和4年度(2022年)には28,740事業所となっています。この10年間で約1,7倍も増え、実に1,1824事業所が新たに設立された形となります。

これだけ多くの新規事業者が毎年増えているのは、もちろん人材紹介のマーケットニーズがあることもありますが、このような求職者DB事業者がすでに存在していることによってある意味、楽にビジネスを始めることが可能になった点も否めません。その結果が先ほどの求職者DB事業者に完全に依存している状況を作り出しているとも言えます。

このことは、今の転職エージェントの業界構造が完全に求職者DB事業者に主導権を握られていることを意味します。

松本さんも指摘されているように仮に手数料を2倍に上げられてもこれを飲まざるを得ないエージェントは相当数いると思いますし、実際に既にその兆しがありますが、求職者DB事業者が転職エージェントではなく、ダイレクトリクルーティング強化に舵を切り、ある日突然、エージェントが締め出されるというような未来も求職者DB事業者の戦略次第では起こらないとも言えません。

5月からどうする?

この傾向は来月からより顕著になってくると思われます。それは求職者DB事業者の最大手企業が2024年の5月から無料かつ無制限に打てるスカウトである「通常スカウト」を廃止し、通数制限があるプラチナスカウトのみにするという運営の大きな変更が予定されているからです。

このプラチナスカウトは毎月のスカウト返信数などによって翌月の配布数が決まってくる仕組みになっており、仮に大きく返信数が落ち込んでしまった場合には翌月のプラチナスカウトの配布がなくなってしまう、というようなケースも想定されます。今までであればそのような場合でも通常スカウトを送信することができましたが、来月以降はそれがなくなるのでどうしても送信する必要がある場合は、お金を出してプラチナスカウトを買わなければいけないという状況が発生します。

これは転職エージェントにとってとても大きなインパクトです。弊社のような小規模エージェントでは死活問題とも言えます。

このような状況を踏まえて来月からどうして行こうかと思案している転職エージェントも多いのではないでしょうか?

以前私は今後の求職者の集客について「他のスカウトサイトで代替していく」方向と「自社集客を強化していく」方向の二つを示しましたがいずれの方向に進むにしても道は平坦ではないと思います。

転職エージェントの存在価値は何なのか?

それではこのように求職者DB事業者に依存する業界構造がある中で転職エージェントの存在価値とは一体何なのでしょうか?

もちろん、スカウトを的確に送信するスキルなどではありません。

弊社、カタリストエージェントでは「心をつなぎ、人と企業の未来をつくる」をミッションに掲げて、会社を経営しています。

これは、単純なスキルや経験などのマッチングでは実現できない個人と企業双方のこうなりたいという気持ち、すなわち、「心」を踏まえた最適な機会を創出していくことを意図しています。

また、そのような双方の「心」が反映された機会や場があって初めて、その人が持つ能力が最大限に発揮され、個人も企業も新たに成長していくことが出来るとの私の考えを反映しています。

このように気持ちを理解できる「人」が介在することで発揮される新たな価値提供こそが転職エージェントの存在価値なのではないでしょうか?
弊社、カタリリストエージェントではそのように考えています。

転職・採用に関する相談はお気軽に弊社までお問い合わせください。


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