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『荒野の七人』『マグニフィセント・セブン』『七人の侍』の比較と感想。



『荒野の七人』は1960年に作られた作品です。『七人の侍』のアメリカ版ですね。黒澤明監督の『七人の侍』に触発されて作られました。
それから56年後、『荒野の七人』のリメイク版映画『マグニフィセント・セブン』が公開されました。
『荒野の七人』と『マグニフィセント・セブン』、実はタイトルはどちらも「マグニフィセント・セブン」なのですが、混同を避けるため60年に製作された方は邦題を使いたいと思います。


3作品の比較やトリビアなんかを書いていきたいと思います。
ネタバレや内容を詳しく書いてあります。
まだ観ていない方・ネタバレや内容を詳しく知りたくない方は観ないでください。


黒澤明監督の『七人の侍』はだいぶ前に見たきりなので、もうほとんど忘れてしまっています。抜けていたらすみません。

黒澤明監督の『七人の侍』はとても長く4時間位あったと記憶しています。当時は白黒画面だったので、雨のシーンで墨を入れて黒くしたのは有名です。

『七人の侍』最後の台詞「勝ったのは侍か農民か。」、『荒野の七人』では「農民がいつも勝ち、ガンマンはいつも負ける。」。

『荒野の七人』では農民1人か2人につきガンマンが1人付き、丁寧に銃の使い方を指導。住民との交流も描かれていました。
『マグニフィセント・セブン』では戦いまでの時間があまり無かった事もあってか、銃の指導は丁寧とは言えませんでした。

一番最初は普通に戦い若干有利だ、もう終わったかと思って油断したところに最終兵器が出てくる!と言うのも『マグニフィセント・セブン』の方で観ることができました。

『マグニフィセント・セブン』のサム・チザム(デンゼル・ワシントン)と『七人の侍』の島田勘兵衛の髭ともみあげの形は同じです。Twitterで見てびっくりしたのを覚えてます。
『荒野の七人』のクリス(ユル・ブリンナー)と『マグニフィセント・セブン』のサム・チザム(デンゼル・ワシントン)の服の色と馬の色が一緒ですね。黒い服に黒馬。ただ、クリス(ユル・ブリンナー)の服の方が日焼けして色褪せている感じがします。
サム・チザム(デンゼル・ワシントン)はシックな黒を最後まで着ていて、しかも小綺麗な感じがして監督に愛されているのが良く分かります。

『荒野の七人』ではリー(ロバート・ヴォーン)、『マグニフィセント・セブン』ではグッドナイト・ロビーショー(イーサン・ホーク)が、「たくさんの敵を殺して戦歴も立派、勲章までもらったが、今はPTSDに苦しみ闘うことが出来ない」と言う役柄を演じています。

『荒野の七人』ではオライリー(チャールズ・ブロンソン)が父親をバカにする子どもを叱ります。『マグニフィセント・セブン』ではバスケス(マニュエル・ガルシア=ルルフォ)がその役を演じますが劇場版ではカットされ、未公開シーンとしてDVD・ブルーレイに収録されています。

『荒野の七人』は徹底して「無私の精神と仲間への忠誠心」が描かれています。村人を助けるのに明確な理由はありません。
『マグニフィセント・セブン』では最後に明確な理由が明かされます。3作品からは外れますが、セルジオ・レオーネ監督の『夕陽のガンマン』と同じ構図です。

セルジオ・レオーネ監督の『続・夕陽のガンマン』で「ugly」の役柄を演じたイーライ・ウォラック。『荒野の七人』では悪役の親玉でした。2014年6月8日にこの世を去っていました。98歳でした。長生きししてくれて嬉しいです。『ジェシカおばさんの事件簿』にも出ていました。

補足すると『続・夕陽のガンマン』は「続」とあるんですが、『夕陽のガンマン』の続編ではなく、全く何の関係もない作品です。64年以降の作品はこういうのが多いです。何も調べないで観て、びっくりしました(笑)。
それとタイトルがすごく良く似てる作品が多いので、あまり詳しくない人は間違えるかもしれません。

一番最初のウエスタン映画は『荒野の七人』(1960年)だったんですね。セルジオ・レオーネ監督の『荒野の用心棒』(1964年)も黒澤明の『用心棒』がもとになっています。黒澤明の影響力の大きさを感じます。権利をめぐってややこしいことになったのは残念ですが、原作契約を確立してギャラを原作者に支払っていれば、裁判等をせずに済んだでしょうね。

教会で復讐を遂げたサム・チザム(とどめの一撃を喰らわせたのはサムではなくエマでした)、傷痕をそのまま隠すことなく見せてるんですね。悲願の復讐を遂げたあとですから、もう隠す必要がないんでしょう。このシーンは素晴らしく、脳裏に焼き付いています。
映画館で2回観ても気が付かなかったけど、テレビで観て気が付きました。


最後にこんな記事を見付けたので貼っておきましょうか。


そういえばチャールズ・ブロンソンのハードボイルド映画を小学2年生位で観ていた気がします。今じゃ考えられないですね。


参考にした出典は『七人の侍』『荒野の七人』『マグニフィセント・セブン』『続・夕陽のガンマン』『夕陽のガンマン』『荒野の用心棒』のウィキペディアです。


実は私のnoteでの名前は「ドル箱3部作(『荒野の用心棒』『夕陽のガンマン』『続・夕陽のガンマン』)」に主演し、一躍有名になったクリント・イーストウッドの役柄から拝借しています。彼が演じたキャラクターには名前がきちんと付いていないんです。第3者が勝手に名前を呼ぶだけで、自分から名乗るシーンはひとつもありません。