『少年の心』炎上から考える認識の齟齬
おはこんばんちわcatです。
最近蒼穹のファフナーについてしか話していない気がします。
THE BEYONDの公開を11/8に控えていると共に、EXODUSも本日、公式youtubeで23話を迎える為、個人的には気持ちが高まっているせいかもしれません。
今日いつものようにTwitterのTLを見ていたのですが、少し気になる事がありTwitter上で、フォロワーの方と議論になり、少し思う所もあって個人レベルですが、少し面白かったしあまりこういう議論もあまり行うの事も少なくなってしまったし良い機会なので、noteに文章を起してアウトプットとして文章に起こしてみようと思いました。
よろしければお付き合いください。
議論となったTwitterの発言
11/4現在、トレンドに「少年の心」というワードがランキングしています。
数にして約25000件で、全然関係ない発言も含まれるとは思いますが、まぁ結構な数です。
発言の内容ですが、『私の大学に集英社の人事が来た時「女性はジャンプ漫画の編集にはなれませんか?」て質問したら「前例が無い訳ではありませんが週刊少年ジャンプの編集には『少年の心』が分かる人でないと……」て返されたの絶対許せない 嘘松ではなく令和1年、都内私立K大学にて行われた企業説明会での出来事です。』というもので、割と強めの言葉で否定されていました。
ツイートを行っていた方が””性別””が女性という事だったので、恐らく自分の””性別””を前提条件として提示した「””女性””はジャンプ編集者になれませんか?」という疑問にたいして、人事の方が回答し、トレンドとなった「『少年の心』がわかる人でないと…」という一文に起因するかと思います。個人レベルの見解ですが。
ツイート主が、集英社人事サイドを許せないとなった部分を推察すると「『少年の心』がわかる人でないと…」に()部分として(お前は女だからそんなのは解らないだろうけど)というのが含まれていたと受け取ったのかなという印象です。この部分は確かに女性軽視と捉えられても仕方のない部分かなというのが僕とフォロワーさんの共通認識でもありました。フォロワーさんの引っかかった部分も恐らくこの部分であると思います。
ただもう一度集英社人事の方のテキストに立ち返ってみましょう「前例がない訳ではありませんが週刊少年ジャンプの編集には『少年の心』がわかる人でないと」という一文。
発言の内容に「前例がない無いわけではない」という一文があるので、「女性は無理だよ。」「女性にはわかりっこないよ」等の発言は見受けられないのが率直な感想です。あるのは『少年の心』というあくまで、抽象的な表現。
まず前提条件として週刊少年ジャンプは少年誌です。少年誌としてターゲットして意識しているのは、あくまで購買層である””男子小中高生””でおそらくマーケティングとして間違っていないかと思います。購買層の中に””腐女子・夢女子””と言われる方々がいらっしゃる事も存じていますし、少年誌の中にそういう購買層を意識した作品がいくつか存在します。
しかしながら、題材は色々異なりますが主題の根幹である部分は「ヒロイズム」、「万能感」、「それぞれの異なる正義」が多く見受けられます。正直ほぼコレと言っても過言ではないと思います。実際、この根幹の部分を正しく購買層である読者へ届け導く編集者の能力を僕は『少年の心』として受け取りました。実際、編集者ではなく漫画家さんであれば素晴らしい少年作品を生み出しておられる方が沢山おられますし。その点でも、女性で『少年の心』を所有する事は不可能ではないと思います。
じゃあどうしてこのような齟齬が起こってしまったのか。これを集英社人事サイドとツイート主サイドに分解してみました。
集英社人事サイドの問題
まず集英社人事サイドの問題点ですが、この文章で何度も出てきた『少年の心』というワードを抽象的に使用してしまった件。
ツイート主の方の主題はあくまでも””女性でも””という発言に主題を置いています。おそらくこれに対する最適解は、『少年の心』という抽象的な表現ではなく「性別は関係なく、購買層を意識したマーケティングを円滑に行える編集者であれば」というハッキリとした条件を提示できていれば、あるいは…といったところでしょうか。
もう一点が「女性に少年の心がわかる訳ではない」という本音が透けてみえてしまった事。認知バイアスですね。これは正直言うまでも無くて、””女性でも””という主題に対して相対する少年(少年であった人)でない人にそれを突きつけることは『事実上不可能だよ。』とほぼ、発言してしまっているのでこれも良くなかったのでは無いかなと感じます。
ツイート主の問題点
続いてツイート主側の問題ですが、過去ツイートやツリーなどを確認したのですが、恐らくかなりバイアスがかかっていたのかなという印象です。
週刊少年ジャンプ自体が女性編集者を採用しないという事前情報があったというのを一応確認しました。(現在鍵付き観覧不可)魚拓でも取っておけば良かったし、正直ネットに放流しているので漁ればあるのでしょうが、別にその方を晒したいわけでもなんでも無いので割愛します。
ツイート主の方はそもそも””週刊少年ジャンプは女性を採用しない””という事前情報を持っていたようなので、これを起点に「『少年の心』がわかる人でないと」という発言を女性軽視だといったような印象を受けたのでしょう。こういう認知バイアスを””アンカリング””というそうです。
調べてみると認知バイアスにも色々種類が色々あるようで、外集団同質性バイアス(自分の所属する集団の多様性が他集団より良いとする)、確証バイアス(仮説や信念を検証する際にそれを支持する情報ばかりを集め、反証する情報を無視または集めようとしない傾向)等のものも働いているのかなと言った印象を受けました。
””性差別””を議論として成り立たせたかったのであれば「前例はない訳ではない」と人事の方が仰っている以上そこの文脈を無視するべきでは無かったなと思います。
他にも「学歴」云々かんぬんの話もあったりしたのですが、あくまで『少年の心』の文脈を整理したかったのでこの件は以上になります。
逆に女性誌とか少女漫画の編集さんってどうなってるんだろう…。
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