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クソデカ子宮筋腫・序

 太った。

 2020年9月のことである。
 ふと気づいたらシャツをパンツにしまえなくなっていった。
 しまうと、おなかが出るのである。
 少し前までふつうにはいていたパンツのウエストがキツイし、シャツをタックインするとみっともないくらいぽこんと下腹が出る。

 は? 死にたい。

 マジで激太りしたのだと思って毎日腹筋に勤しんだ。毎夜寝る間を惜しんでフンフン腹筋した。
 へこまないのである。

 は? 死にたい。

 腹筋をどれだけやろうとも、腹がへこむ様子はない。太ったショックでメンタルだけがへこんだ。
 毎夜、ベッドであおむけになってもへこまない腹を撫でくり回してめちゃくちゃへこんでいたんだけど、ある夜ふと違和感を覚えた。

 …………硬くね?

 がばりと起き上がって、えっ? わたしのおなか硬すぎ……? って焦って、腹筋と脂肪が共存しているのかな、と思い効果はゼロじゃなかったのかと納得しかけたところでふと脳裏をよぎったちょっと前のてんやわんや。
 そう、うちの母親が子宮内膜症を患ったついでに検査をしたら、まあまあでっかい子宮筋腫がいた、という顛末がよみがえったのだ。

 まさか? よもや? もしかして? と思って母親に相談してみた。

「一回婦人科行ってみたらいいかもね~。お母さんが定期で検診受けてるとこ行ってみたら? 女の優しい先生だから安心かも」

 2020年9月のことである。

 このとき、まあたしかになんもなかったら安心して太ったことを嘆けばいいだけの話だし~と思って軽い気持ちで予約の電話を入れたわたしは、のちにこんなに大事になるとは思ってもいなかった。

 これは、クソデカ子宮筋腫を患ったわたしの、汗と涙と笑いの闘病の記録である。


 

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このマガジンは作者がクソデカ子宮筋腫を駆逐するまでの愛と悲しみを笑いを織り交ぜて、今後誰かの参考になったり、悲しんでいる誰かをいっときでも笑顔にできたらいいなみたいなエッセイをまとめたものです。このマガジンで得たお金は医療費の補填に充てます。

2020年末頃からのクソデカ子宮筋腫とのバトルを克明に記した汗と涙と笑いの闘病エッセイ。

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