バブルの頃#194:完

1945年:敗戦
1950年:朝鮮戦争特需
1984年:バブルの始まり
1989年:ベルリンの壁崩壊
1990年:バブル崩壊の始まり

戦後の日本は、朝鮮特需により、壮大な右肩上がりのトレンドがバブル崩壊まで40年続き、その後の景気後退が14年続いています。バブル崩壊から14年経った我が国は「いくらなんでも14年たてば」、というトレンドの歴史的転換点を迎えようとしています。個人史として、本編のテーマである転職は、バブル経済初期にオリンピックを長野に招致するスポーツ用品業界の動きの中から派生したものでした。転職はバブル経済の初期に始まり、バブル崩壊時とその後のITバブルの発生と消滅、そして現在のトレンドの転換期という節目に、繰り返されてきました。
そしてこの旅もようやく終わりに近づいたようです。


40年続いた右肩上がりのトレンドと「助さん、格さん。もういいでしょう、懲らしめてやりなさい」という台詞がぴったりの14年も続く右肩下がりのトレンドが、2003年4月大底を打ったようです。この歴史の節目、トレンドの転換点で、今までどおりのことをしているわけにはまいりません。(サラリーマンをやめ、法人を設立し、リスクは自分で負うということです)

振り返れば、2001年8月25日、本編第一部を創刊してから、現在の第五部まで、明日の見えない日本経済の右肩下がりのトレンドのなかで、長く続いた右肩上がりの時代に蓄えた知的資産を切り売りしながら、何とか食いつないできた情況を、「転職」をテーマにして細切れに総括してまいりました。ご縁のあった皆さまのおかげで、きのうを振り返り、今日を暮らし、何とか明日につなげてくることができました。「盛者必衰の理をあらわす鐘の音」を何回聞いたことでしょう。終わりがあることを知りながら、いっとき終わりはないものと思いこみ、終わりを忘れてしまいます。

出会いの連続を人生というそうです。ふれあいに必要なのは自己主張ではなく、譲る心、古典的な、人の徳目といわれる精神かもしれません。そういうことを、この14年で学んできたような気がしています。なかでも、一日でも早く上場することが利益につながるITバブル真っ盛りの頃、IT企業の社員クリスマス会で初めてお会いした方の笑顔は忘れません。その方のお嬢さんが、明治神宮で挙式されました。このおめでたい情報で本編を完結したいと思います。

長い間、お付き合いいただきありがとうございました。
完。

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