バブルの頃#188:フレッシュスタート

本編はシーズン4の続編であり、次の転職先である外資系ソフトウェア会社でのその後の2年間のエピソードが中心です。フレッシュスタート、ITバブルが最終局面を迎える頃の話です。

シーズン4で結成したマネージメントチームが、過去の各メンバーの成功事例をもとにして、現在の会社再建プロジェクトに取り組んだ顛末が主たるテーマとなります。過去に成功経験がない人は、ハイリスクな意思決定場面で、期待されたパフォーマンスがでてこないことが多いという経験知があります。
たとえば、優勝経験はないが予選では最強のチームが本番で実力が発揮できず優勝経験のあるチームに貫禄負けしてしまうようなものです。後ろを振り向いたらだれもいない、一歩さがったら土俵をわってしまうという瀬戸際で、そういう修羅場をくぐって、しのいできた人たちは強いです。幸運にもそういう経験をしないですんだ人、順風満帆な環境にいた人、リスクを嫌う人、こういう人たちには打たれ弱いところがあることを否定できません。昔、自動車業界で企業再建に名を残したアイアコッカ氏にあやかり、自分たちがいままで蓄積してきた成功体験を原資にして、目の前に現れた赤字ソフトウェア会社再建に投資することにしました。

ヒト・モノ・カネの中で、ヒトに投資をしました。若いとかいう将来性はすぐに換金できないので評価しません。いままでの実績と人脈を重視し、3ヶ月で成果に換えられる潜在的な案件を持っている仲間に声をかけました。日本経済が右肩上がりの時代に一番成功事例をもっている世代は、団塊の世代なのです。人口が多いので絶対値で、最多であるということでもありますが、ともかく、日本が元気であった時代に、一番活躍した世代であったことは事実です。なかでも、ベテランのスペシャリストに注目しました。ハローワークに行くと、45歳以上は再就職困難な高年齢者であることがわかります。この流れに逆らい、自分たちの価値をカネに換えようと、なつかしいヒトを思い描きました。それが、アイアコッカです。氏の企業再建の手法には関心ありません、単なるイメージです。ゴーンというのもありですが、リストラは金融業者に任せます。

今振り返ると、今回のプロジェクトに参加して、創業者の気持ちが理解できるようになりました。これから掲載していく内容は、サラリーマンを卒業していく過程を説明していくことになるかと思います。今回が最後の転職となります。

いただいたサポートはこれからやってくる未知のウイルス感染対策、首都直下型大地震の有事対策費用に充当します。