金言350:瀬戸内海で溺れそうになったことがあります

ロッキー・バルボアは、引退した後、最後にもう1回戦いたいという夢を実現します。引退した元チャンピオンの意外な強さに、ボクシング界のコメント屋さんが「真のチャンピオンは最後にもう1回戦える余力を残している。」というようなセリフをいうシーンがありました。

スポーツ選手の引退の理由は、戦う気力と体力が衰え限界を感じたからというのが多いと思います。ただし、チャンピオンと2番手以下の選手とは引退のタイミングが違うかもしれません。大相撲の大関はカド番を脱出できず転落しても引退はしません。再度返り咲きを狙い土俵に上がり続けます。番付が下がっても幕内にいる限り戦い続ける力士もいます。一方、チャンピオンの横綱は序盤で3敗すると休場し、優勝に絡むことができなくなると引退を考えます。ですから、ロッキーのように、引退した横綱にはもう一度優勝できる余力(可能性)が残っているともいえそうです。

今だから笑い話になりますが、余力を残して、助けを求めたことがあります。学生時代、瀬戸内海の島で合宿をした際、地元の若い人たちと目の前の小島まで泳いで渡ることになりました。少し前までは干潮で歩いて渡れた小島です。何の不安もなく、泳ぎだしたのですが、海面は波もなくプールのようなのに、途中から、前に進めなくなりました。潮に流されていることに気がつきました。そこで、体力が残っているうちにと思い、前を泳いでいる人たちや先に泳ぎ着いている人たちに向かって、「助けてくれ」と叫びました。ところが、周りにいる人たちは、まだ顔色も動きも悪くないのでふざけていると思い、緊急事態とは受け取ってくれませんでした。2回ほど海中に沈んで初めて救助してもらえました。余力を残して助けてもらうのは非常に難しいということを、あの時、体で覚えました。

「天は自ら助くるものを助く」といいます。独立独行、依頼心なく、奮闘努力する者を天は助けて幸福を与えてくれます。(広辞苑より)

余談ですが、あの時、体力消耗して沈みかけたとき、海の水が、温かくて柔らかくてとても気持ちよかったことを覚えています。ボクサーがパンチを受けてダウンしたとき、立ち上がれないのは痛みからではなくて横になってそのままにしている方が気持ちよいからだと聞いたことがあります。

いただいたサポートはこれからやってくる未知のウイルス感染対策、首都直下型大地震の有事対策費用に充当します。