バブルの頃#189:リハビリは負荷をかけないと効果がない

コンピュータの2000年問題に対応しているかどうかが、上場をめざすIT企業にとっては無視できない影響力があった頃、即戦力の中途採用をつかわず、子飼いの安価な要員をぶつけて育てていきたいと思っていた社内の勢力が台頭してきました。そうした中で、中途採用組みは、次の職場を探すために野合のマネージメントチームをそれぞれ結成しました。会社を立ち上げた金融チームは、所属していた事業部の優秀な技術者の大半を引き抜きました。このケースは、チームリーダーの幹部社員の永年にわたる人徳によるところが大きかったと想像されます。

90年代のバブル崩壊後の痛みを、異業種への転職でリハビリしているつもりでしたが、リハビリは負荷をかけて本気でやらないと効果がないことが外的要因と職場の圧力で分かり始めてきました。可能であれば、外資の短命でストレスの多い環境には戻りたくないと希望していたのですが、45歳以上の再就職困難者(ハローワークの表示)にとっては、それが可能ではないということを受け入れなければならないのが実情でした。

そこで、東アジアの半島から日本市場に参入して数年、いまだ黒字転換できない外資のソフトウェア会社を選ぶことにしました。2001年の年末でした。当時の半島の誇り高い民族国家は、ブロードバンドの普及率をはじめ、国民レベルでのIT化が日本と比較にならないほど進んでいる国でした。大学生向に徴兵制度があり、兵役訓練のカリキュラムにIT教育が含まれていました。また、IT技術者には兵役が免除または期間短縮があり、国家を挙げてIT化による富国強兵政策をとっている国でした。ブッシュジュニアが始めた戦争では、開戦時にテレビゲームのような爆撃シーンが報道されていましたが、東アジアの半島でも同じことを考えていました。戦争は白兵戦を想定せず、コンピュータを駆使した攻撃になるので、PCを使えない、また情報技術を理解するのに時間がかかる低学歴の青年は徴兵の対象にならないと聞きました。親御さんにとって、大卒で徴兵経験済みが娘の結婚相手の第一条件でした。

再生のキーワードは欧米ではなくアジアかも知れないと予感しました。この予感に基づき未体験のゾーンに踏み込むことにしました。

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