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金言766:経営コンサルと貸金業者のコラボ

資金繰りに苦しむ地方の旅館・ホテルは、信用金庫の融資を受けるために、信金と信用保証協会が認証した再建計画書によって経営者は意思決定に制限を受けます。
一つのビジネスモデルに崩壊の兆しが見えてきました。
融資の条件として、金融業者が事業主に、定価の高額料金で国家資格が不要な経営コンサルタントの導入を加える再建手法に見直しが求められています。当初、金融業者は自行の従業員を融資先の私企業にCFOとして出向させ確実に債権回収ができるようにしていました。ところが、出向先業界では商いでは素人の経理マンが再建の切り札にならないことが大企業での導入失敗事例が増えることで証明され、金融業者はこの手口は使えなくなりました。

そこで次の手口は、民間の経営コンサルタント業者とコラボして、コンサルタント業者が自社従業員や融資先の業界のOBをCOOとして送りこむことでした。これは、導入初期には成功事例が積み上がり、地方の信金もこの手口を見習いました。潰れそうな旅館は、銀行お墨付きの再建請負人を支配人・役員待遇(高給)で受け入れました。
もちろん融資の条件ですから、たとえ役にたたないからといって異物混入を拒否することはできません。カネを借りなければならないほどの状況になったのは経営者の経営判断の誤りが原因なのですから、現経営陣を温存しながらつなぎ融資を手にするためには、再建のプロという鳴り物入りで銀行とコラボして登場する経営コンサルタントを拒否することはできません。

ところが、キャッシュフローに苦しむ事業主にとっては、この高額なコンサル料支払いが経営資源を枯渇に追い込みます。経営コンサルタントは即戦力の営業マンではありません、減収減益の後講釈と増収増益のシナリオは描きますが、実行する要員は事業主が用意しなければなりません。もちろん、コンサル料と別途に宣伝広告をする費用がかかります。そうすると、現金がさらに不足して追加融資が必要となり、金融業者の商売繁盛につながります。
でも、金の卵を産む鶏を殺してしまってはいけません。コンサルと貸金業者のコラボに実効性について信用保証協会が疑い始めました。成功事例もありますが、進行中の失敗事例が増えていることを隠せなくなってきたからです。さらには、債務者である経営コンサルタントを同じ債務者の事業者に派遣してコンサルの売上から債権回収も狙っています。
ようやく、債務者の弱点を商売にするコンサル会社のビジネスモデルがほころびを見せ始めたというわけであります。

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