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ため息84:SARSが流行った頃

北京オリンピック開催を目前にした中国で、SARSが流行ったことがありました。結果としては、中国政府はこのウイルスを封じ込め、北京オリンピック開催の年にはSARSという言葉はまったく話題にならなくなりました。

その得体の知れない恐怖から少しでも身を守る方法として、「手洗いとマスク着用」がメディアを通じて全世界に要請されました。
当時、不織布のトップメーカーで、SARSのニュースが流れるたびにマスクが売れるということで、株価がボーフラのように浮き沈みした外資企業に電話をした営業マンから聞いた話です。
午前10時、代表電話にかけたところ、すぐに担当部署に電話が回されました。不織布の新規発注という先方には悪くない用件なのですが、担当者が電話に出るまでの1~2分間、電話口からは「だらしない」オフィスの男女の笑い声や私語が聞こえてきました。

電話に出た担当者はあまり素材に詳しくないようで、取り扱っているかどうか確認して折り返し連絡するという回答でした。ところが24時間たっても電話はありませんでした。同業者は他に10社以上ありましたので、これでこの案件は、終わりになりました。
次の中華ウイルス拡散での特需までこの会社が存続していたかは存じません。

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