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金言1021:1番でも2番でもなくても儲かればいい

昔、独仏でNO1の会社の営業部長が南アの子会社に栄転のオファーがありました。この人は家族に反対されたという理由でオファーを断り転職しました。転職先は米国企業でしたがCランクでした。この会社はR&Dにコストをかけず首位グループの売れている商品のコンセプトや見かけを特許権や肖像権に抵触しないように模倣して「もどき」の廉価版を売りだすのが得意でした。
トッププレーヤーが使う道具とは仕様が違いますが、似ている感じのラインナップです。もともとトップアスリート仕様のオーバースペックで高額な商品を嫌い、そこそこの機能でトレンドに乗っていればOKという、ダウンサイジングを好むユーザをターゲットにしています。営業責任者はトップ企業の卒業生ですから、オーバースペックをダウングレードするのは簡単でした。1000室のホテルのフロントクラークは50室のホテルのチェックインに苦労しないのと同じ理屈です。
一流メーカーの家電商品の機能を一部削ってスペシャルメイクアップで安く売る通販会社の商法にも同じ匂いがします。

ただし、いくつか落とし穴があります。
首位グループ入りを狙わない集団には、Cランクの人材の溜まり場になるリスクがあります。そうなると、最悪のシナリオが浮かんできます。
先を行く者の真似をしていればいいので、切磋琢磨はなく、売れている商品を迅速に低コストでコピーするずる賢さだけが求められます。経営者は会社の財産となるような割高な従業員を好みませんし、従業員には会社への忠誠心が希薄です。儲かっている間は怖いモノなしでローリスクハイリターンなのですが、経営陣の粗相で財務基盤が弱体化したり、知的財産権の侵害で訴えられたりしたときに会社はたちまち存亡の危機に追い込まれます。なにしろ信頼性とかコンプラとかを軽視する集団ですから。

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