“引き出し屋”という悪鬼たち

昨日も書いたが、現在引きこもっている人が100万人とも
200万人ともいわれる中、「必ず自立させます」と謳う
「引き出し屋」なる存在が様々な問題を起こしている。

2年前の1月、関東在住の80代の女性は、業者に900万円を払い
40代の息子の「自立」を依頼した。(後に400万追加で払った)
スタッフが5人きて息子を“連れ出した”そうだ。

息子の行き先は九州。
ほどなくして「息子さんは熊本で就職した」と業者から連絡があった。
その後、息子との連絡は「自立を妨げる」ということで控えていた。

そして今春、業者から「息子さんが亡くなった」と突然の連絡。
以下、記事より引用

【女性は警察署で痩せこけた長男の遺体と対面した。ひげが数十センチ伸びて、脚は骨と皮ばかりになっていた。遺体が見つかったアパートの室内には、ごみ袋やペットボトルが散乱し、冷蔵庫は空。「元気で仕事をしていますか」とつづった女性の手紙が、血の付いた状態で残されていた】

また別の男性の談

【1日5時間の農作業をさせられ、「作業体験代」名目で1日千円を受け取った。それ以外は監視カメラ付きの部屋で過ごした。低の労働をさせられました。ほかに自立のプログラムはほとんどありませんでした】
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191217-00010002-nishinpc-soci

昔でいえば戸塚ヨットスクールとかそんな感じですね。

引きこもりの「子」を抱える親からすれば藁にもすがる思いで
大金を投じるのだろうが、結果的によくなるとは到底思えない。
まず部屋から「引き出す」段階で大きな事故(事件)が起こる
可能性が高い。
窮鼠猫を噛むではないが、当事者からすれば必死だ。

その一方、昨日判決がでた元農水次官の長男殺害みたいな
事件もあり、家族としても、手の打ちようがないだろう。

40代〜50代に引きこもりが多いということは、
彼らが幼少期〜青年期を過ごした30〜40年前に何かがあった
もしくは、その当時の社会的制約とか価値観の移り変わりとか
原因になるようなことがあったのだと思う。
あるいは化学調味料だとか公害的な何かとか。

結局は医療に繋げる以外にないのだと思うが、
精神科受診を勧めた段階で大暴れするケースだって起こるだろう。

本当に引きこもりは悪いのか?
仕事をしないことは悪なのか?
社会が、価値感が変わることで、彼ら自身が「容認された」と
心から納得し、自然に寛解してゆくようなことにはならないか?

今の時代の最大の問題だと僕個人は思います。

そして、民間の(つまり営利目的の)“引き出し屋”なるものを
許してはいけないと強く思います。

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