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八戸学院光星 VS 創志学園 甲子園みどころ紹介

第104回 全国高校野球選手権大会
大会2日目 第1試合

八戸学院光星 VS 創志学園

洗平親子の夢舞台、そして長沢監督の夢物語

元中日ドラゴンズの「洗平竜也」と聞いてピンとくる高校野球ファンは多いだろう。私が初めて「光星学院」という高校を知ったのも「その時」だった。1年時から3年連続で青森大会のマウンドを踏んだものの甲子園にはあと一歩届かなかった。しかし紛れもなく光星学院の歴史の1ページを彩る伝説の名投手だ。
今年「八戸学院光星」のエースナンバーは洗平歩人、伝説の名投手の息子である。そして背番号18の洗平比呂はその弟だ。
父が果たせなかった夢舞台に立つ、それが今年の八戸学院光星の物語である。

一方で創志学園の野球部設立から監督を務めた長沢監督は、この夏で退任となる。もともとは夙川学院ソフトボール部で結果を残し、鹿児島の神村学園で野球部の監督になりセンバツ初出場で準優勝、同校を名門に育て上げた実績を残す名監督だ。
今年のチームの合言葉は「監督を日本一にする」。
最後の夢物語のクライマックスは最高の舞台、どんなドラマが待ち受けているのだろうか。

投手力

八戸学院光星は青森大会全試合を継投で勝ち上がってきた。
背番号1の洗平歩人は球威のあるストレートとスライダーで三振を奪える本格派右腕だ。ただ青森大会で主に先発を務めたのは背番号11のサウスポー渡部(甲子園では背番号10)。多彩な変化球が武器だがストレートにも伸びがあり安定した投球を見せた。
他にも冨井、宇田、洗平比呂と計算できる投手が6人いるのが心強い。
仲井監督の継投のタイミングに注目だ。

創志学園は岡村が絶対的なエースとして立ちはだかる。
右のサイドスローではあるがいわゆる軟投派ではなく、MAX147キロの速球を持つ本格派右腕である。岡山大会決勝では9回でも145キロ以上の速球を投げ込み、強靭なスタミナも感じさせられた。また三振を奪う能力も高く、今大会「あまり騒がれていない好投手」の筆頭格とも言える。
リリーフには身長182cmの木村が控えているが余程のことが無い限り、岡村の右腕がチームの命運を左右することになりそうだ。


打力

八戸学院光星といえば強打のイメージがあるが、今年は青森大会のデータ上では長打率は高くない(49校中37位)。ただ長打力がないわけではなく、大事な場面でホームランも3本飛び出しており、コンパクトでありながら非常に勝負強い実戦派の打線と言えるだろう。
打の中心は中沢、野呂、織笠の中軸だ。とても勝負強く長打力もあり、相手投手にとっては脅威である。
ただ青森大会では1、2番の調子が上がらず、なかなか中軸の前に走者をためられなかった点が苦戦続きの要因の一つであった点は否めない。

創志学園は4番の金田が打線の軸だ。岡山大会では1番横井、2番木村の出塁率が高く、良い形で中軸に回すことが出来たのが勝因となった試合が多く見受けられた。また記録上では盗塁数は多くないのだがエンドランをうまく決めるシーンも多く、機動力も武器の一つである。それだけに岡山大会同様、1、2番の出塁がカギを握るだろう。秋の時点では「未完成の打線」という印象があったが、夏に向けて完成された打線に仕上げた長沢監督の手腕はさすがである。

この試合のポイント

まずは創志学園の岡村投手の立ち上がりが大きなポイントとなる。
岡山大会の準々決勝で調子が上がらずおかやま山陽の打線に痛打を浴びて6失点した試合があったが、八戸学院光星を相手に同様の出来になって、点差を離される展開になれば苦しくなる。岡村投手が本来の投球が出来るようであれば八戸学院光星といえどなかなか打ち崩せないはずだ。

また八戸学院光星の継投がどのような場面で訪れるか、も大きなポイントだ。八戸学院光星の仲井監督としてはリードした展開で継投に入りたいだろう。それだけに先制点をどちらがとって主導権を握れるかに注目したい。

ともに甲子園を知り尽くした名将同士の対決。
両ベンチが試合をどう動かしていくのかが見ものの一戦うである。

甲子園ラボ

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