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センバツ見どころ 長崎日大vs近江

第94回選抜高校野球
大会2日目 第2試合

長崎日大  vs  近江

京都国際のコロナ集団感染による出場辞退により、急遽対戦カードが変更。急ピッチで準備が変わってしまった両校の戦いとなる。

まずは近江。
秋の大会後、エースでキャプテンの山田は「夏に向けて集中します」と語り、目標を夏に定めた。夏にピークを持っていく過程で突如巡ってきたセンバツ出場権。当然モチベーションは上がっているだろうが、突然の本番に向けてどこまで仕上げられるかがカギになる。

一方の長崎日大。
組み合わせ抽選からの2週間、京都国際のサウスポーエース森下対策を練ってきたのは間違いないだろう。突然の対戦相手変更により、軌道修正を強いられたのが試合にどう影響するか。

昨夏から主力である近江の大エース・山田の右肘疲労骨折の回復具合が大きく試合を左右するだろう。

投手力

近江は秋は山田が野手に専念し、星野、副島、外義のサウスポー3枚を中心に戦った。近畿大会では社に10失点、敗れた金光大阪戦も7失点と結果を残せず、良くも悪くも山田のチームという印象が残る。エース山田はMAX146キロの速球と鋭いスライダーが武器。昨夏の甲子園では再試合を含めた6試合に登板、外義、副島も甲子園のマウンドを踏んでおり経験値は申し分ない。先日の智弁学園との練習試合で山田が6回を1安打1失点140キロ台もコンスタントに計測、リリーフした星野も好投を見せたのは好材料である。

対する長崎日大はエース種村が軸。
多彩な変化球で緩急をつけたピッチングでタイミングをズラすのが上手い印象だ。投球フォームも安定しており、制球が良く上手く試合を作る。九州国際大付戦で序盤から変化球を狙い打たれたように捕手のリードが大切となるだろう。

打力

近江打線は昨夏を経験した山田、津田、横田の3名が中心となる。山田はスラッガーとしても注目の強打者。それだけにいかに走者を出して山田に回すかがカギとなる。上位打線の横田、津田はセンスのある好打者で、ともに機動力も使える。下位打線が出塁し、上位に回す展開に持ち込みたい。

長崎日大打線はチーム打率.357の強力な打線で県大会・九州大会ともに二桁得点の試合を多く作ってきた。そのカギは集中打である。4番河村、1年から活躍した百武には長打力もある。しかしむしろ相手投手の制球が乱れていると感じると、揺さぶりをかけて動揺を誘うのが強みであると感じた。九州大会初戦の小林秀峰戦では中盤まで0-5の劣勢から後半相手投手の乱れに乗じて16点を取って逆転した。その一方で県大会、九州大会決勝ともビッグイニングを作れない試合では抑え込まれる印象も拭えない。


この試合の見どころ

上記より「近江が走者をおいて山田に回せるか」「調整不足が懸念される近江投手陣のスキを長崎日大打線が突く事が出来るか」の2点をこの試合の見どころに挙げたい。

兎にも角にも、おそらく先発するであろう山田の出来が試合を大きく左右するのではないかと思われる。


京都国際の無念に応えるためにも、両校には「力を出し切った」と言える素晴らしいゲームを見せて欲しいと心から願う。

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