見出し画像

LAに置いてきたもの。

念願のLAに行ってきた。
滞在期間も3泊5日と短かったので、旅の備忘録にもならないけど、感じたことを言葉に残しておきたいと思う。


画像11

Los Angeles International Airport、通称LAX。
もともとアメリカへの憧憬から映画はもっぱら洋画しか鑑賞しない主義だったので、空港に着いた途端に感動した。
従業員さんのユニフォーム、カートに積まれた清掃用具、名前を呼んでカプチーノを提供してくれるスタバの店員さん…
全部知ってる。
挨拶代わりに2〜3往復くらいの会話をして、「See you later.」って去ってくのも、全部知ってる。
想像とのギャップがなくて、知らないことすらないんじゃないかという無敵感にも襲われて、まるで映画やドラマの中に潜り込んだみたいに、VR体験でもしてるような感覚だった。

そう、わたしの知ってるアメリカは等身大だった。
でも実際に目の当たりにして初めて衝撃を受けるリアルもある。


わたしは銀座や表参道が好きだ。
ブランドの旗艦店が軒を連ね、感度の高いリッチな層が歩いてる。
そこにはトレンドが凝縮されてるような気がするから、定期的に訪れるようにしてる。

Bevelly Hillesも訪れてみたい場所だった。
歩いてるだけで絵になる街並みは、胸を高鳴らせた。

画像3

戦利品はなかったけど、何往復もした。

不意に同行者が「わたしたち馴染んでますよね?」と言ってきた。
おこがましいかもしれないが、わたしたちは馴染んでたと思う。
少なくとも、銀座の大通りを歩いたときに突き刺さる視線みたいなものは感じなかった。

LAは多様性に溢れた街だ。
映画界がオスカーのために配慮した配役なんかじゃなく、いろんな人種の生活拠点になってる。
そこに同調圧力はなく、個人が尊重されてるのを実感する。


画像6

LACMA Los Angeles County Museum of Art。
素敵なドレスを身に纏って写真を撮りにくる人たちがたくさんいた。
眺めながら、きっとこの人たちがいて初めて作品が完成するんだろうなと思った。

羨ましかった。
わたしは他人の目を気にせず好きなファッションを主張することができるだろうか。
この人たちと同じように、芸術作品になれるんだろうか。


Santa Monica Pierに降り立った瞬間、雁字搦めになって息苦しくなってたわたしの心は解放された気がした。

画像8

画像9

理屈じゃない。
光の射す方へ進んでいくと、希望で満たされた。

画像10

砂浜ではしゃぐ家族を眺めてると時間が永遠に感じる。


LAの空がコットンキャンディーみたいなピンク色になるのは本当だった。

画像13

ずっと見てみたかった空。
この空に包まれてると、LAにいることや感情を揺さぶられてることが夢だったんじゃないかと思えてくる。

コットンピンクが耽美なオレンジ色に変わってきたところで、時間が来てしまった。


急ぎ足で戻ってると、柵の上に座ってる人影が見えた。
高校生だろうか、女の子2〜3人に囲まれた美青年と目が合う。
オレンジ色の夕陽に照らされた彼の瞳は官能的で、思わず吸い込まれそうになった。

わたしたちの視線を通行人が遮る。
それでもまだ視線を感じるような気がして振り向くと、彼はこっちを見て微笑んでた。

画像16

知ってる。
そこに座ってる柵から、君がいつも熱を帯びた視線を送ってはたぶらかしてることを。
そうすることでしか暇潰しはできないみたいに退屈そうにしてることを、わたしは洋画を観てるから知ってる。

だけどやっぱり夢だったんじゃないかと思えてきた。


LAにはたくさん夢が詰まってる。
そしてどんな人にでも夢を見させてくれる。

だからわたし、夢をあのビーチに置いてきた。
いつか絶対LAに移住する。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?