CaseD

読書、映画鑑賞についての記録がメインです。

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最近の記事

月とスッポン

こんなことなら家を出なかった 落ち着いた日曜の午後だったのに 最悪なことは続く 犬の首輪が緩くなってきてるのが気になっていたけど だからどうだっていうんだろう 君には関係ないのに 僕の犬の話なのに 僕がただ1日を過ごせばいいだけ 追い込まれているような気がしても それは気のせいさ、ただそばを通り過ぎていくだけ 川岸に釣り人がひとり しかけをいじりながら文句をたれてる 君にしか聞こえない声で 月夜に照らされた車は 光を帯びて 川岸で佇む亀は 未来

    • 世界

      たいていのことは気にしない たいていのことは経験がある けれど、君と顔を近づけて 呼吸が、呼気が 生ぬるい空気が 目と鼻の先 感じたことのない 奇跡のような時間 喜び 喜びがここに 誰にも邪魔されない喜びが ここに 恋 こい! 夢じゃないぞ! 君がここにる 僕がここにいる 素晴らしい世界 君がいる美しい世界 他に何も いらない世界

      • 突然詩#2

        悲しいことがあると 君は遠い目をしたね 僕にはわからないような 深い深い瞳をとにかく潜らせて 深く深く潜ってしまった 僕はいつも途方に暮れていたね 明るく冗談を言ってみても 虚しく反響した僕の笑い声だけが響いていた 昼の強い光が窓から差し込んでいて 少し汗をかいていた君は左目だけで僕を見た 僕を見たんだ 何を言っていたのだろうかその目はその瞳は 中卒の僕には見当もつかなくて、睨まれたカエルの僕はまたへたくそな笑みを浮かべるしかなかったよ。 君に愛して

        • 突然詩#1

          スウェットを着た朔太郎と キティちゃんサンダルの一葉が ネオン輝くドン・キホーテへ 低めの車高が歩道を擦って 遮光のガラスに映りこむ駐車場のバーはハシエンダ 黒と黄色が警告する。ケバブを食ったら早く帰りな それでも2人はアクアマリンの匂いを求めて 茶色いシミのグレーのスウェット 引きずりながらどんどんドンキ 未来は知らない興味ない 照らされる道だけただただまっすぐ 関係ないよなんにもお前にも 車内に戻ってセブンスター、セッタの14がラッキーナンバー

        月とスッポン

          『星の子』今村夏子 読書録♯1

          読書に親しむようになって15年ほど経つ。ただ漠然と読んで、読み終わったらすぐ次の本にというサイクルが少し空しくなってきてしまい、読んだ本の内容を残してみたいと思いnoteに読書録として記す事にした。 記録1作目となったのは『星の子』(朝日文庫)。今村作品は『こちらあみ子』、『あひる』を読んでおり、今作が3作目となる。『星の子』は主人公、林ちひろの視点で語られる。両親は怪しい宗教にどっぷりとハマっており、そのせいで姉は家出をして戻らず、親戚とも何年も疎遠な状態が続いている。

          『星の子』今村夏子 読書録♯1