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アイスの市場規模はどのくらいですか?【コンサル面接解答集/フェルミ推定】

はじめに

ケース面接対策道場のケース侍田中です。
ケース面接対策でうまくいかないことが続くと、「自分は頭が悪いんじゃ…?」と自己嫌悪に陥ってしまうことってありますよね。
私も、以前そうでした。
自分がケース面接対策で苦労した経験から、わかりやすい丁寧なケース面接対策のコンテンツを発信しています。

この解答例は良問を選んで、解答したものです。
実際の面接のディスカッションを想定して作られており、各ポイントも記載されています。

一連の流れ、考え方をぜひケース面接対策の参考にしてみてください。

こちらは前回の記事になります↓↓↓

問題1:アイスクリームの市場規模推定

面接官「本日の初めのお題は、アイスクリームの国内市場規模を推定して下さい。5分で考えて下さい。何か質問ありますか?」


(1)前提確認

田中「対象の市場を擦り合わせさせてください。アイスクリームの市場としては、コンビニ・スーパーで購入して日常的に食べるアイスの他、ハーゲンダッツやサーティーワン・アイスクリームといった専門店舗、その他テーマパークやスポーツスタジアムといった出先で購入するアイスを想起していますが、この捉え方で進めていく理解でよろしいでしょうか」

面接官「はい、そのイメージでよいです。」

田中「承知しました」

★ポイント
前提確認では推定する市場を定義(国内or海外、対象の商材、ビジネスモデル等)しにいく。
今回の場合、アイスクリームの購入機会を幅出しし、認識を合わせている。
このように定義が具体的になる程、考える幅が狭まり計算もしやすくなる。

5分後

(2)算定式とその数値の根拠を述べる

面接官「いかがでしょうか?」

田中「結論として2,300億円になります。算定式、セグメント、数字の根拠の順で説明します。

・算定式
算定式ですが、数量×単価で考えています。
数量については更にブレイクダウンし計算しています。

アイスクリームの市場規模=
販売数量(➀対象人口×➁アイスクリームの購入割合×➂購入回数/年)×➃単価

・セグメント分け
次に、アイスクリームといったデザートの商材から、年代、性別で嗜好性が分かれると考え、セグメント分けをしています。
年代は「5歳から30歳」「31歳以上」と2つに分けて考えました。
乳幼児はアイスを食せないと考え5歳以上からを想定しています。

・数字の根拠
数字の根拠について説明させて頂きます。

➀対象人口
全人口を1.2億人と仮定し、1年代150万人、男女比を1:1、としています。
「5歳から30歳」が合計3,600万人で男女それぞれ1,800万人、「30歳以上」が合計8,000万人で男女それぞれ4,000万人仮定しました。

➁アイスクリーム購入割合/年
各セグメントで差があると想定しています。年代の差が大きいと考え男女共に「5歳から30歳」でほぼ、全員が年1回以上は購入すると仮定して90%と置きました。
一方で、「31歳以上」に関しては半分程度の50%と置いています。

➂購入個数/年
各セグメントで分かれると考えています。最も多いのが「5歳から30歳」の女性になり、30個と置いています。
30個の考え方としましては、季節性のある商品なので、ピークの夏(6,7,8月)の3ヶ月は週1個は購入するとして12個としました。
ノンピークの冬(12,1,2月)は月1個の3個、それ以外の間の月を6か月は2週に1個の12個としています。
加重平均すると27個/年となり丸めて30個/年と仮定しました。
次に多いのが同年代の男性で女性よりは少ないと考え3分の2程度して20個としています。
なお、「30歳以上」の方は男女共に「5歳から30歳」の3分の1程度として、女性10個、男性5個としています。

➃単価
単価については、メインはコンビニアイスの100円が70%程、外で食べると高くなるので500円が30%と仮定して、加重平均し300円と置きます。

以上計算しますと、
「5歳から30歳」の女性が1,000億円、650億円の計1,650億円になります。
続いて「31歳以上」の女性が400億円、男性が200億円、600億円になり、全合計で2,300億円の計算になります。

(3)算定結果の評価

面接官「概ね良いと思います。数字の妥当感としては如何ですか?」

田中「市場規模2,300億円を人口1.2億人として、1人当たりで割りなおすと年間2,000円、月150円程度になり概ね妥当と考えます。桁感のズレは無いと考えます」

★ポイント
・算定結果の評価は、必ずといっていいほど問われる。
➀妥当、➁大きく出過ぎた、➂小さく出過ぎた
のいずれかが解答になる。発表前に数字の妥当感と理由を準備しておこう
・パラメータが変わる場合は再計算も求められるケースも多い
・数字の妥当性を検証する代表的な考え方は次の3つ。
➀類似業界との比較、➁代表企業の売上とシェアで類推、➂市場規模を人口1人当たりで割って類推
今回は2C向け商品になり1人当たりの消費額が身近で捉えやすいとして、”➂市場規模を人口1人当たりで割って類推”を採用している。

(4)算定式の精緻化

面接官「何か因子を付け加えるとすれば何を加えられそうですか?」

田中「アイスクリームの購入割合といきなり出しましたが、アイスはスイーツの群に含まれると考えると”スイーツ購入割合”といった因子が加えられそうです。
更に、スイーツの中でもアイスVSかき氷の視点も入いれて、"冷凍スイーツ購入割合"といった因子も加えられると考えます。」

★ポイント
”更に精緻化するなら?”も問われやすい。発表前に準備しておこう

(5)他の算定方法の確認

面接官「なるほど、理解しました。他の算定式では、どのような考え方が出来そうですか?」

田中「先程も需要サイドで求めましたが同じ需要ベースでの別の切り口ですと、

アイスの市場規模=対象人口×可処分所得/人×飲食代の支出割合×スイーツの支出割合×アイスの支出割合、

はありえそうです。
他に供給ベースですと、

アイスの市場規模=アイス取り扱い店舗数×1店舗当たり売上×アイスが占める割合

でも考えられると思います。」

面接官「いいですね、他には何が考えられそうですか?」

田中「需要ベース、供給ベースで考えましたので、他には市場シェアの考え方はありそうです。例えば、トップシェアの売上÷市場シェアで出せると考えます」

面接官「OKです。市場規模推定はここまでにして、次は売上向上戦略を考えて頂きたいと思います」

田中「承知しました」

★ポイント
他の考え方もほぼ問われる。
算定のアプローチは、
➀需要サイド、➁供給サイド、➂マーケットシェア、➃コスト積み上げ、
で大別される。発表前に準備しておこう。

※算定アプローチついてはこちらの記事も読んでみてほしい↓↓


いかがだったろうか。今回はフェルミ推定について解説してみた。
次回は売上向上戦略について解説してみたいと思う。

次の記事を読む↓↓↓

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