ベビーカーの市場規模はどのくらいですか?【コンサル面接解答集/フェルミ推定】
はじめに
ケース面接対策道場のケース侍田中です。
ケース面接対策でうまくいかないことが続くと、「自分は頭が悪いんじゃ…?」と自己
嫌悪に陥ってしまうことってありますよね。
私も、以前そうでした。
自分がケース面接対策で苦労した経験から、わかりやすい丁寧なケース面接対策のコンテンツを発信しています。
この解答例は良問を選んで、解答したものです。
実際の面接のディスカッションを想定して作られており、各ポイントも記載されています。
一連の流れ、考え方をぜひケース面接対策の参考にしてみてください。
こちらは前回の記事になります↓↓↓
問題1:ベビーカーの市場規模推定
面接官「本日の初めのお題は、国内のベビーカーの市場規模を推定して下さい。5分で考えて下さい。何か質問ありますか?」
(1)前提確認
田中「ベビーカー市場の定義を擦り合わせさせて下さい。
まず、ベビーカーは一般消費者向けとショッピングセンターや遊園地といった施設にあるような法人向けに販売されていると思います。
法人に比べ一般消費者への販売が大半と思われますので、今回は一般消費者向けのベビーカーの前提での算定でよいでしょうか。
また市場は国内の前提でよろしいでしょうか?」
面接官「はい、その前提でよいです。」
田中「承知しました。また、昨今シェアリングサービスの様な形態がありベビーカーのサブスクサービスも無きにしもあらずと考えていますが、ベビーカーは買取がメインと考えて、今回の市場規模算定も、買取の総額を推定する理解でよいでしょうか。」
面接官「はい、田中さんの設定で大丈夫です。
他に質問なければ、初めて下さい。」
田中「承知しました」
―――(5分後)――――
(2)算定式とその数値の根拠を述べる
面接官「いかがでしょうか?」
田中「結論として400億円になります。
算定式、セグメント分け、数字の根拠の順で説明します。
・算定式
算定式ですが一般家庭が購入数する、
ベビーカーの市場規模=販売数量/年×購入単価
で考えています。
販売数量/年は更にブレイクダウンして考えました。
ベビーカーの市場規模
=販売数量(➀出生人口数/年×➁ベビーカー所有割合×③ベビーカー購入割合×➂購入数×➃買い替えサイクル)
×➅単価
としています。
・セグメント分け
主に“②ベビーカー購入割合”は、第1子か第2子以降かで差が出ると考えました。第2子以降の場合は、第1子の際に購入したベビーカーのお古を使い新規購入は第1子の時よりも少なくなると考えられるためです。
・数字の根拠
数字の根拠について、販売数量から順に説明していきます。
➀出生人口数/年
全体としては、150万人とし、第1子は120万人、第2子以降は30万人としました。
それぞれ根拠を説明します。
まず、全体の150万人ですが、人口1.2億人を出発点としました。そこから、平均寿命80歳迄とし各世代に150万人の方(1.2億人÷80世代)が存在すると考えました。
ベビーカーの購入は出生から1年以内(0歳児)でなされる前提に立ち0歳児の150万人を出発点として考えました。
そこから、1人の女性が生涯子供を産む数を示す出生率が1.2人程度と記憶していますので、第1子の割合を80%として120万人、第2子以降の割合を20%として30万人と仮定しました。
➁ベビーカー所有割合
子供が歩けるようになる月齢まで、四六時中子供を抱っこして移動するのは現実的ではないと考え、子供が生まれた家庭はどの家庭もベビーカーを100%所有すると考えました。
③ベビーカー購入割合
第1子の場合は購入割合を80%、第2子以降の購入割合を40%と仮定しました。
まず、第1子の場合は、友人や親戚からのベビーカーのお古を譲り受けるパターンもあると考えましたが、第1子ということで新品を揃えたい親心も強いと考え80%は新規に購入すると考えました。
次に、第2子以降の場合ですと、友人と親戚の他、第1子の際に使用していたお古のベビーカーを第2子以降で使用する場合が多くなると考え、第1子の際の半分の40%と仮定しました。
④購入数
1人の子供に対してベビーカーの複数台持ちは聞かないため1台としました。
⑤買い替えサイクル
親戚や友人の話を聞いていると基本ベビーカーの買い替えを聞かないので、所有したベビーカー1台で使い切ると考え、0歳児でベビーカーを購入する際の年間の買い替えサイクルは1回と仮定しました。
⑥単価
マス向けの一般価格と高品質な高価格帯に分かれると仮定しました。
ベビーカー販売数量の80%をマス向けとして3万円/台と仮定しました。
3万円/台の根拠は、正直ベビーカーを購入したことがないので同じ乗り物での自転車から考えました。
一般的な自転車価格が2万円程度と記憶しており、自転車よりは安全面が考慮されているので高くなると考え3万円で仮定しました。
高価格帯のベビーカーは全体の販売数量の20%と仮定し、マス向けのベビーカーの価格の倍の6万円で仮定しました
加重平均し3万5千円(≒2万4千円:3万円×80%+1万2千円:6万円×20%)と仮定しました。
以上、算定すると400億円になります。」
(3)数字の検証
面接官「概ね良いと思います。気になる点があるのでいくつか質問させてください。まず、算定結果400億円はどのように思いますか?」
田中「そうですね、
桁感の大きなずれはないと思いますが、やや大きめに出ていると思います。
出生人口数/年を150万人と仮定しましたが、実際は少ないと考えます。
日本国内は人口ピラミッドが逆三角形になっているので、人口1.2億人を80歳を平均寿命として各世代均等にした150万人を新生児とするのは多いはずです。
新生児の実際の数字は70万人程度と聞いたこともあり、その分算定結果400億円も大きめに出ているかと思いました。」
面接官「いいですね。
では、出生人口数の求め方ですが、他にどのようにすれば精緻に求められると思いますか?」
田中「平均寿命からではなく、女性の出生数を元にした算定アプローチがあると思います。
具体的には、
出生人口数/年=
出産適齢期の女性数×結婚する割合×子供を産む割合×生涯で子供を産む人数÷出産適齢期の期間/年
で求められると考えます。」
面接官「いいですね。
他のパラメーターで、大きく数字を置いたパラメーターはもうありませんか?」
田中「そうですね、単価が大きめに出ているかもしれません。
対象としたベビーカーを新品を想定しましたが、メルカリやヤフオクでの中古品ベビーカー購買も考えられます。
改めて新品と中古品も含めてベビーカー市場と定義しますと、当初想定した単価3.5万は割高に出ていると考えられます。」
(4)他の算定アプローチ
面接官「分かりました。
では、算定結果を検証する方法はどのようなアプローチが考えられますか。計算は不用ですので、算定アプローチを教えて下さい」
田中「そうですね、いくつか方法はあると思いまして、まず、今回は需要サイドで求めましたので、供給サイドのアプローチから算定して確認できるかと思います。
供給サイドはバリューチェーンで分解でき、
例えば、①ベビーカーの製造→②ベビーカーの販売と分けると、
①ベビーカーの製造ですと、ベビーカー工場数×1工場当たりの出荷数×販売割合×単価と算定出来ると思います。
②ベビーカーの販売ですと、ベビーカーの販売店舗×1販売店当たりのベビーカー売上(販売数量×単価)で算定できると思います。
他にも、大きく2つのアプローチがあると思います。
1つ目は、類似商品を物差しにして検証するアプローチです。
例えばチャイルドシートです。
ただし、チャイルドシートは自動車の所有割合が影響するのでベビーカーよりも販売数量は少なくなると思いますが、チャイルドシートの市場規模はベビーカー市場の物差しにはなると考えます。
2つ目は、ベビーカーの代表企業の売上÷当該企業のシェア
で考えられそうです。」
(5)セグメント分け
面接官「いいですね。では、お話を少し戻して今回セグメントを第1子、第2子以上で分けていただきましたが、他にはどのように分けるのが考えられそうですか?」
田中「他には所得差でセグメントを分けるのもありそうです。安価な製品ではないので高価なベビーカー購入を検討するのに所得が影響すると考えます。」
面接官「OKです。市場規模推定はここまでにして、次は売上向上戦略を考えて頂きたいと思います」
田中「承知しました」
いかがだったろうか。今回はフェルミ推定について解説してみた。
次回は売上向上戦略について解説してみたいと思う。
その他にご質問やリクエスト等ありましたらいつでもお待ちしております。
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