見出し画像

【心霊体験ファイル】 事故多発の交差点

私は、とある村で生まれ育ちました。

「ここはヤバイ」

昔、偶然、車で通った霊能力者が、そう口にしたという逸話が残る村です。

いかにも胡散臭い話ですが・・・
私が、いくつも不思議な体験をしてきたことだけは、事実です。

その中の一つを綴ります。

「事故が多発している場所は、本当にヤバイ」・・・という話。



当時、私は高校3年生。
高校まで、電車で通っていたのですが、田舎のため、最寄り駅まで車で10分かかります。

毎朝、仕事に行く父の車で駅まで送ってもらっていました。

その途中、ある交差点があります。

国道と村道が交わる交差点。
信号機があり、障害物もない、見晴らしのいい交差点。

その交差点の傍らには、花束が添えられています。

そこは、事故が起きる要素が少ないにも関わらず、事故が絶えません。
死亡事故も、何度か起きています。



その日、私はいつも通り、父の車に乗せてもらい、駅に向かっていました。

問題の交差点・・・
赤信号で、一旦停止。

青信号に・・・
父は車を発進させました。

その時でした。

・・・・・・・・

大きな衝撃。
粉々になったガラスが、私の顔に降りかかりました。

右側、運転席の側面に、車が猛スピードで追突。
私と父の乗っていた車が、大きく飛ばされたのです。

そして、はじき飛ばされた車が止まった瞬間でした。


どこからともなく、笑い声が聞こえたのです。

「キャハハ」
「ハハハ」
「アハハハ」

それは、何人もの笑い声でした。
男性の声、女性の声、子どもの声・・・
いろんな声が入り混じる、とても気持ちの悪いものでした。

一瞬、何が起きたのか理解できませんでした。


我にかえり、父の方を見ると・・・

外傷はなく、一安心。

「よかった・・・」

しかし・・・父に異変が起きていたのです。

目の焦点が合っていません。
何を言っても反応しません。

私は、父に声をかけ続けました。


すると、また笑い声が・・・

「キャハハ」
「ハハハ」
「アハハハ」

笑い声が、やんだ瞬間でした。

父が突然、動き出し、奇声を漏らしながら、車を走らせようとしたのです。

私は、必死になって止めました。

そして、数十秒後、父は意識を失いました。

その後、救急車で運ばれ、父は、内臓破裂で緊急手術。
肺を片方失いましたが、一命を取り止めることができました。

私は、幸い、ガラス片で額を切っただけで済みました。

追突してきた車の運転手は無傷。
原因は、信号に気がつかなかったため、猛スピードのまま交差点に突入したとのことでした。

父に、回復した後、事故のことを聞きましたが、全く記憶にないそうです。

あの笑い声は、一体何だったのか?



あれから、およそ20年。
高校卒業後、東京に上京した私は、年に数回、田舎に帰る。

あの交差点・・・
そこには、花束が捧げられている。

事故多発地帯は、何かがいるかもしれません。
本当に気をつけた方がいいと思います。

父は、今も元気です。
長生きしてね!

〜完〜






いただいたサポート費は発毛、いや家族サービスに使用させていただきます!