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【心霊体験ファイル】 知らない放送

これは私が、小学校6年生の時に体験した話です。

私は、とある村で生まれ育ちました。
昔、その村を偶然、車で通った霊能力者が、

「ここはヤバイ」

と、口にしたという逸話が残る村です。

それが本当かどうか、わかりませんが、
私が、いくつも不思議な体験をしてきたことだけは事実です。

その中の一つを綴ります。

その日は、強風。
小雨が降る夕方、空が紫色だったのを鮮明に覚えています。

当時、私は、放送委員会でした。

放送委員会の仕事は、完全下校の時刻を知らせる放送を行います。

時刻は、15時55分。
私は、16時の放送に備え、一人で放送室にいました。

天候が悪く、校庭には誰もいません。
友達たちは、体育館で遊んでいました。

すると、ある放送が流れたのです。

それは、無機質な女性の声でした。

「台風が近づいています。国旗を立てるポールが倒れます。注意してください」

放送は、職員室でもできます。
先生が放送したのだろう・・・

変な放送だな・・・

そう思っていると、先生が勢いよく放送室に駆け込んできたのです。

「おい、何やってるんだ!」
「えっ?」

私は、理解できませんでした。

「ふざけるな!お前、放送しただろ!」

職員室では、誰も放送していない。
私以外、放送する人間はいない。

というものでした。

何を言っても、信じてもらえません。


その時でした・・・

「キャー!」

体育館で遊んでいた友達たちが、悲鳴を上げながら、廊下を走ってきたのです。

「体育館のギャラリーに、知らない女の子が立っていた!」

見間違いではない。
友達たち、数人が見たというのです・

すると、また放送が流れたのです。

「ピーンポーンパーンポーン」
「ザザ・・・ザザザザ・・・(ノイズ音)」


みんなパニック状態。

泣き出す女の子たち。
先生たちも、慌てていました。

そして、とにかく早く帰れと、帰宅を促されて帰りました。

強風で、小雨が降る中、恐怖に震えながらの帰宅。

頭の中で、ドリカムの「晴れたらいいね」をひたすら歌って恐怖を和らげたのを覚えています。

あれから、およそ30年経ちますが、
今も、あの放送の声は、耳に残っています。

ドリカムも好きです。
でも聞くと、当時の恐怖体験を思い出します。


〜完〜





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