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シンガポールと言えばの面接キーワード、「多様性」について改めて考えてみた話。

長女の高校受験の面接の際に恐らく聞かれるであろう、「シンガポールと言えば」のキーワード「多様性」について自分でも改めて考えてみたので、今回はそのことを綴ってみます。

この「多様性」や「多様性を受け入れる」と言う言葉。普段から見聞きしているものの、「じゃ、具体的に説明して?」と言われてハッキリと説明できる人、案外少ないのではないでしょうか。

英語では(ダイバーシティ/diversity)と訳されて、その意味は以下のように出てきました。

多様性(ダイバーシティ/diversity)とは「ある集団の中に異なる特徴・特性を持つ人がともに存在すること」です。 ダイバーシティという言葉は、人種や国籍、性別、年齢、障がいの有無、宗教、性的指向、価値観などの多様性から、キャリアや経験、職歴、働き方といった職業生活における多様性まで幅広いジャンルで用いられています。

なので「多様性を受け入れる」と言う意味を、上の訳と共に踏まえると、それぞれの違いを受け入れるという事らしい。

と、ここで深掘りして考える私の自分への問い。

受け入れるだけで良いのか????

「多様性」、私自身でもしっかりと咀嚼できない意味合いなのに、長女がここぞという面接の時に自分の言葉で説明できるとは期待できない…、なので、長女に嫌な顔をされながらも質問に質問を重ねて暇さえあれば一緒に落とし込む日常となりました。

◎なぜ多様性を受け入れる必要があるのか。
◎受け入れるということはどういうことか。
◎もし多様性を受け入れないままだとどうなるのか。
◎そもそも多様性を受け入れるということを具体的に言葉で説明できるのか。
◎実際、どんな行動がそれを指すのか。

と、ここまでくるとこの多様性を受けれる。という考え、まさにシンガポールの縮図のようにも思えます。

ここシンガポールは多民族国家。
宗教や文化、言語もそれぞれにあり、共通語は英語であっても、それぞれの人種が母語を大事にしていて、その表記が町の至る所で目につきます。
バイリンガルが当たり前、トリリンガルもそう珍しくないシンガポール。

私のような外国人には見えないところで、お互いに思うところはあるかと思いますが、マジョリティーもマイノリティーもなくお互いを尊重し合って生活しているのだと思います。

電車の中のアナウンスも、英語、中国語(マンダリン)、マレー語(バハサ)、インド語(タミール)と4ヶ国語が流れたり、

現在の首相のリーシェンロンさんも、ナショナルスピーチの際には英語、中国語(マンダリン)、マレー語(バハサ)と、スピーチの途中に喉を潤すためのお茶を飲むたびに言語を変えてスピーチされます。
(インドのタミール語まではいかないらしい。)

ほとんどの方が英語を理解できる国なのに、わざわざその方々の母語で語りかける。

これ、なかなかできる技ではないですが、そこにはその人種の方々を尊重しているからに違いないと思うんですよね。

この、その人々の言語でわざわざ話す。というこの行為こそが、相手を受け入れている、あなたのことを大切に思っている。というメッセージだと思うんです。

例えば、たどたどしくも日本語で話しかけてくれる外国人の方に親近感をもたれたことはありませんか?

相手の言葉を話すということは、ただ言語を話す、ということだけでなく、「あなたの国や文化をリスペクト(尊重)しています」と相手に伝えていることでもあると思うんです。(英語は世界の共用語となっているので若干意味が異なってくるかもしれませんが。)

ただ受け入れるだけではなく、尊重する。

そう、この「尊重」が「受け入れる」とくっついてこそ、「多様性を受け入れる」、ということだと思うんです。

すなわち「多様性を受け入れる」ということは、

「あなたと私って言葉も文化も信じるものも食べ物も、見た目もなんだって違うよね、でも、違ってもいいじゃん。あなたにはあなたの良さがあって、私に足りないものを教えてくれるし、きっとあなたは私から自分に足りないものを補っているんでしょう。」

ってことなんだろう、と。

他にもお互いの文化をリスペクト(尊重)していると言う表れに、
旧正月やハリラヤ、ディーパバリやクリスマスを祝い、ラマダンやタイプーサムも行われていたりと、シンガポールにはそれぞれの祝日が設けられ、習慣があります。

それぞれが大切にしているものを尊重し、それぞれがお互いの違いを受け入れることを、子供の頃から自然に学んでいるシンガポール。

時々自分の分からない言語を話す友達
クリスマスを祝わない友達
牛肉を食べない友達
教会に行く友達
モスクに礼拝に行く友達
母の日や父の日が違ったり、お正月を祝う日が違う友達もいる
信じる神も違えば、休む祝日が違う友達もいる

「なんで?」ではなく「ふ〜ん、君のところはそうなんだね。」で咀嚼できる、これこそが多様性を受け入れられる、グローバルマインドを持った人間なんじゃないのかと私は思います。

そしてこの環境で育った我が子達は最高にラッキーだ!と思うその反面、この当たり前の生活から出てきた途端、これまでは感じもしなかった自分というアイデンティーに向き合い、いろんな面で考えさせされ、成長していくのではないかと思います。

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