見出し画像

2021年の秋

一階東側の柱を見つめながら、クマ夫はずっと考えていた。

ぼけっとしているようで観察眼が鋭いのがクマ夫の特徴。

東側、作業部屋とバスルームの間にある2本の柱がどうやらちょっとおかしい。手でボンボンと叩いてみるとほんの少し振動で揺れる。おい、柱、大丈夫か。

そして、第二寝室の柱もそうだったように、部屋の壁に対してばっちり真正面真四角ではなくほんの少し菱形。。。

2の両サイドが問題の柱

何がやばいって、このちょっと心許ない柱にガイドレールを打ち込んで石膏ボードを取り付けるのだけれども、今の柱の状態だと少し心配だ、というのだ。手抜き工事というか、いい加減な工事というか、つまり施工業者のそういうわけで。でももう私たちは彼ら(ヘスス軍団)とやり合いたくはない。のらりくらりとあれこれで結局何もしてくれないのはわかっている。いかにもメキシコ。人任せにしないで自分たちでちゃんと安全なものにするにはどうしたらいいか。


数人のプロに相談を持ちかけ、彼が打ち出した答えは2本の柱に鉄板を太いボルトでがっしりと付け、他の部分と同じくレンガを下から積み上げ、ボルトの間を鉄筋を組んだもので固定しセメントを流し込む。Hの形になるよう鉄筋を加えるわけだ。そこからまた天井に向けてレンガを積み上げていく。コツコツ、コツコツと積み上げていく。これで、上下左右から均等に圧力をかけることでじっくり支えるわけだ。

上のセメント部分には中に鉄筋入ってます
ちょっとずつちょっとずつ
この隙間に登るのがエビちゃん好きでねぇ
あとちょっと
テッテレ〜〜〜!!

 時間をかけて推敲し、部材をデザインし発注するところから始め、コツコツとレンガを積み上げていく。セメントが乾く間に、その周辺の他の壁部分の石膏ボードを嵌め込んでいく。他の作業や家の仕事もあって毎日できるわけでも一日8時間できるわけでもない中、それでも根気強く作り上げていった。

この部分、合計約40㎡の部分。プロからしたら、多分たった40㎡。でもど素人の私たちからしてみたら、すんなりといかない40㎡。ほぼ6ヶ月かけ、壁を完成させることができた。


 もともとここの壁は竹小舞を組んで土壁にしようとしていた。そして、その作業は2020年2月に参加した「セミナー」のみんなと新たに学びたい人々と作り上げよう、と思っていた。といえばかっこいいけど、今考えれば「取らぬ狸の皮算用」でもあったのかな。それが、コロナで全部チャラになり、だったら自分たちで、僕が、と始めた壁作り。まだ仕上げのシーラーとペンキ塗りが終わっていないけれど、それでもクマ夫の今期には頭が上がらない。時には他人の仕事の尻拭いに苛立ち腹をたて投げやりになったこともあったけど、でもちゃんとやり遂げたね。

 ありがとう、いつもありがとうクマ夫さん!!

家づくりの資材費、家具の材料費などに使わせていただきます!!あなたのポチりがCasa Arkadiaの一部になります!(これ、本当)