104. 雨季の自然と生き物
*今回、虫ネタです。写真満載です。苦手な方はすっ飛ばして来週お会いしましょう。
もうそろそろ雨季も終わり。
今年は去年の半分ほどの雨量だったけどでも草木は生い茂り、畑は作物こそほどほどの出来だったのに雑草はそんなのお構いなしにわさわさと育った。
毎年9月なかばになると、この一帯はキバナコスモスが咲き始める。
このキバナコスモス、メキシコが原産でWikipedia曰く「標高1600m以下に咲く」とあるが、ここはもうちょっとあるはず。でもまあ、咲くんだから咲く、ということで。
咲く、というか咲き乱れるというか咲きまくっている。
確か去年、ピンクと白のコスモスをもらってきてその種を家の周囲に蒔いたのだけど、一向に咲かない。種が成熟しないうちに蒔いてしまったのか。また今年もやるぞ。色々な色が欲しいのだ。
雨季になる前、春先から今年はカエルをよく見かけた。
畑でちょっと物をどかした湿ったところからピョン。タイヤの下からピョン。どこから入ったのかベッドの下からピョン。10匹はみたと思う。親指の第一関節ほどの小ささで、薄いグレーのちょっと可愛い感じのカエル。その都度、水のある場所に入れてやったのだが、それが雨季になってからお礼参りなのか、ずいぶん家の周辺に居着いてゲーゲー鳴いていた。
そう、ゲーゲー鳴くのだ。結構な大きさの声で。その声も8月になってぴたりと止む。この後、雨季が終わり換気になったら彼らはどこに行くのだろう。そして卵はどこに生んで育っていくんだろう。
今年も「ツァー」が無事に来訪してくださった。
初年度2020年ほどの数は来ないけれど、それでも毎年こうして律儀にきていただける、ありがたいことだ(そう言ってるだけで何か恩恵があるかどうかは不明)。
ツァーとは、雨季の始めの期間に外の街灯を頼りに来る大きな蛾で、その模様と毛質?から私が勝手にロシア貴族っぽいと思っているから。
田舎町のパン屋さんあるあるな光景なんだけど、ガラスやドアで締め切っていないためか、ミツバチがすごいことになってる。ほんと、これはメキシコのちょっと自然のある場所に住んでいると毎日見かける光景なのでなんとも思わないんだけど。ミツバチが、お砂糖、シロップたっぷりの菓子パンに頭突っ込んで流のよ。誰も気にしないし、追い払おうともしない。流石にトレイに取るときにはなるべく邪魔にならないように、ミツバチさんがついていないものを選ぶんだけどね。
夜、黄金虫カブトムシの種類がいろいろやってくる。キンキラキンメタリックなものや、地味だけどすごく親しみやすい感じのメス。もっともっと写真に撮ってない(撮りなさいよ)種類もいて、毎日結構楽しく昆虫観察ができる。
一生懸命なのよね、彼ら。
人生の最後のシーズンを、おそらく産卵終えてあかりに向かってきて、もう体力限界でひっくり返ったまま起き上がれないでいるその姿。グッとくる。なんだろう、私も歳なのか涙腺が‥ お前の一生、無駄じゃなかったんだよ、的な。
小さな蛾のカラーバリエーションもさまざまで、白黒のシックでゴージャスなのもいるし、金色のショートコートもいる。
蝶々のカルメン(カルメンっぽいのよ、ほんと)なんて真っ黒で半分透けるレース、裾の方に赤いドットなんてもうほんとフラメンコの衣装。
体全てが赤みのかかった透明なガラスのような小さなトンボ、モナルカの一種のような蝶々は内側がイタリアデザイナーのワンピースみたいだし。
こういうのをみていると、むしろそれは逆で、人間は自然や昆虫たちからそのデザインをお借りしているんだと思う。彼らは長い年月の間に、自分を守るためと子孫増やしていくために、このデザイン、色になったわけで。デザイナーさんこそむしろ自然の中に身を置いて、いろいろ目にすると良いんだろうな、と強く思うのよね。
家の中に入り込んできちゃった蛍、バッタの抜け殻、強烈な見かけの割には人畜無害でむしろ害虫を食べてくれる虫さん、綺麗なライトグリーンのクモ、メタリックグリーンの甲虫もかっこいいの一言。ナナフシだってやってくる。
子供の頃は蜘蛛が苦手だった。
でも今は、朝の散歩の時に仕方なく壊さなければならない彼らの巣をごめんごめんと言いながら払いのけて歩いている。
有害なものは仕方ないが、それでも虫たちも一生懸命生きてるんだよね、と思うとなんだか全てが愛おしく思えてくるから不思議なのだ。
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