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《圧倒したアンジェ・ボール》 トッテナムホットスパーvsニューカッスル プレミアリーグ第16節

上位勢対決となったトッテナムvsニューカッスルの一戦。
お互いに負傷者が少しずつ戻ってきている中で、首位に離されないためにも勝利が欲しい両チーム。先に感想を言うと、トッテナムが圧倒したゲームとなった。その理由を簡潔にではあるが、見ていこうと思う。


両チームのスタート

両チームのスタートは上の画像の通り
(ニューカッスルACのギマランイスがギマラ'イン'スとなっている事、背番号が39ではなく8になっている事、大変申し訳ございません)。

試合前の印象としては
ニューカッスル側…正GKのポープがいない事がチームに影響を与えそう。
トッテナム側…リシャリルソンとソンの同時起用が当たるのか(前節はそこまで良くなかったような、、、)

試合開始からニューカッスルを飲み込んだトッテナム

試合を通じてトッテナムはボールを保持し、ニューカッスルはカウンターを狙う形が多く見られた。開始から強度の高いプレーを連発し、見ている人にこれぞプレミアリーグと思わせる試合だった
開始10分までにトッテナムは2回、ニューカッスルは1回決定機を作るなど見応えのある展開。特にニューカッスルがトッテナムDFの背後を突いた速攻は迫力があり、CBデイビスのフルスプリントからスライディングで間一髪で防いだシーンは声が出るほど見応えがあった。ニューカッスルはWGやIHを起点にポケットを取りに行くシーンが多い。

プレッシングを行うときはVOのサールがACのギマランイスを掴み、SHのジョンソンがCBシェアに外からアタックを仕掛ける。IHジョエリントンをCBロメロかVOビスマが監視するシーンが多く、基本的には中盤の数的劣位をどちらかが埋めるシーンが続いた。

トッテナムがボールを保持する局面はいつも通り4-4-2から2-3-5の可変システム。
ニューカッスルは4-3-3で対応。
CBロメロとデイビスに対してWGのアルミロンとゴードンが外切りでアタック→中に構える屈強な3MF(特にジョエリントンとギラマンイス)がパスを刈り取る→カウンター
という狙いが見えた。ただ、トッテナムはそうならないようにWGが高さを調節。特に左サイドはソンとクルゼフスキが上手く入れ替わりながらトリッピアーを撹乱させる事に成功。ソンが前向きを作った瞬間に
1.クルゼフスキがSB背後へのランニング
2.ウドジェが真横のパスコースを確保
3.ソン自身でのカットイン
という3つの選択肢を作れていた事で比較的スムーズに前進する事が出来た。

もう1つ、トッテナムのビルドアップが上手くいった理由としては、ニューカッスルMFが相手を掴むのが早かったという事が挙げられる。
ニューカッスルは強度の高いプレーが特徴でゾーンよりも人にどんどん出ていく戦い方をする事が多い。アルミロンやゴードンが寄せきれていないにも関わらず人を掴みに行くシーンが多く、CB→シャドーのクルゼフスキやサールなど1列飛ばしたパスが入るシーンが散見された。

つまり
1.CB→WGのラインが作られる
2.そのラインを消すためにニューカッスルWGの外切りが少し大回りになる
3.トッテナムは中央にパスラインを多く作る
4.中盤に4vs3の数的優位を作りだす(トッテナム4vsニューカッスル3)
2-4の間.トッテナムCBは時間に余裕を持ってパスコースを選べる
5.ニューカッスルMFはトッテナムMFにアタック
6.トッテナムCBは空いている味方にパス
という現象が多く見られた。

再現性が多く、たくさん見られた事で試合経過と共にトッテナムが押し込んでいく時間が増えていった。
前半2-0,後半2-1,合計4-1。終わってみれば圧勝の一言で試合は終わった。

ニューカッスルからすれば惜しいシーンも作ったが、
・過密日程と負傷者による試合出場メンバーの疲労蓄積
・試合中も守備をする時間帯が多くロングカウンターに出ていく体力があまり残っていなかった事
から普段のパフォーマンスと比べると強度が落ちる時間帯が早く、追いつくだけの余力がなかった、というのが正直な所だろう。

アシスト、得点両方に絡んだWGソン

前半に得点した2シーンの形としてはトッテナムの狙い通り。前述したように中央に人を集めてからサイドに展開。今節WGに入ったソンのクロスから2得点を奪取。対面のトリッピアーもなすすべなく突破を許してしまった。ニューカッスルは「自陣でトッテナムWGに対して1vs1をさせないようにカバーが入って2vs1を作る」という事は見てとれたが、失点シーンでは間に合わず。
ソンは後半にPKも獲得するなど1G2A、大車輪の活躍だった。

得点以上の貢献、リシャリルソン

前半は2-0だったが、スコア以上に相手を圧倒。その立役者となったのがCFで出場したリシャリルソン。攻撃→守備の切り替えの局面では誰よりも早くボール保持者にプレスをかける。後ろの選手がパスの受け手に対して強くアタックできるようボール保持者に制限をかける事でトッテナムがボールを持つ機会は格段に上がっていた。後半も危ないシーンであればプレスバックを厭わず、スライディングでボールを奪うシーンもあった。試合を通して数字以上に相手を圧倒できた要因の一つは間違いなく彼の献身性が生み出したものだろう。自身も1得点を記録し、今後どんどん良くなっていくであろう事を期待させるパフォーマンスだった。

これで10節のクリスタル・パレス戦以来、6試合ぶりの勝利となったトッテナム。怪我人はいるものの、クルゼフスキのシャドー起用や急造CBデイビスの奮闘など数名の選手が新しい役割に少しずつ適応している印象を受ける。
序盤の連勝街道が嘘かのような苦しい1ヶ月弱だったが、これからのリーグ戦は明るいのではないだろうか。

このような感じで簡潔にではありますが、プレミアリーグのレビューを書いているので、興味を持っていただけましたらフォローやリアクションを頂けますと非常に嬉しいです!
今週末も楽しみな試合がたくさんあってワクワクしてます!

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