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私学無償化はどこまで進んだか?

愛国学園大学付属竜ケ崎高等学校を訪問した。障害がある子たちの高等教育と言えば、まず浮かぶのは公立高校全日制だろうか。無償化の流れを真っ先に実現している。そんな中で2020年4月から始まったのが、私立高校の無償化だ。どうしても私立は高額になる。学校にもよるが年額60万円から80万円とも。これが無償化されれば、あとは入試の難易度次第。「問い合わせ」を柏近辺通学圏の10校ほどに流して、真っ先に連絡いただいたのが竜ケ崎高校だった。

全校で生徒数100名程度。50周年記念の撮影会写真をさらに写真にさせていただいた。十分に小さいので個人情報は大丈夫でしょうと、お願いして。全校でこの規模感。なんだかとっても居心地がよさそう、なのだ。

千葉・茨城で人数は分散

常磐線竜ケ崎市駅が最寄になる。そこからほぼ2キロ。ちょっとある国は遠いので、行きはタクシーを利用。あっという間の到着となる。田んぼ道をそれて少し上った丘の上。しっかりとした大きさの運動場があって、緑が濃い。人数が少ないせいか、踏み残された草むらがそこかしこにあって、緑の濃さをさらに印象付けている。

「柏地区の募集担当」をしているT部長。「発足当初はむしろ千葉の方が多いくらいだったんですよ。常磐線ですから。最近は県内が7割ですが、我孫子、柏、流山なんか多いですね」。

障害に対する配慮は?

興味の核心は大きく2点。障害を持った子たちにとって魅力的かどうか、そして学費の負担は大きいか小さいか。当校、特徴の一つは名前にはないが女子高だということ。3年全体で100人弱なのだから、一クラスにすれば30人と少し。「居心地はいいんじゃないでしょうか」の質問に「ごつごつしていない、ほのぼのとしたムード」と。

とはいえ、特段には配慮はしていないそうだ。バリアフリーではないので、身体系は厳しく、引きこもり不登校だと対応は困難。ただ、精神系でなら人間関係不調の場合は、環境もよく可能性はある。基本はきちんと通学できることが条件になるようだった。

学費は無償化?

正直なところ、学費の無償化がまだよくわかっていない。いくつか私学を回れば、事例で理解が可能となる。そう考えて、10を超える私学に問い合わせはしたものの、実現した唯一の学校。根掘り葉掘り、、、と思ったが、こちらは茨城県。早速自治体が違う。

1.入学時納入金             250,000円

2.制服、制定用品・教科書など購入費   163,625円

3.入学後諸経費             194,303円

4.毎月の授業料など納入金  授業料    23,000円

             旅行積立金    10,000円

以上のうち学費無償化の対象は授業料のみだ。年額にして276,000円になって39万6千円以内なので、所得によっては無償化は実現する。

進学6割、売りは2年で幼稚園と保育士二つの資格

「関東に5校しかない」6割が進学するというその対象は多くは愛国学園なのだろう。2年という短期間で文科省系の幼稚園教諭と厚労省系の保育士資格が同時にとれるとのこと。

ほか、介護士や、事務系では簿記の資格にも直結する。

運動場の話をすると「桜の名所なんですよ。200本はあって、近所からけっこう見物に集まります」外に出てみると、確かに幹の太い立派な桜たち。

眺めながら、駅までの2キロを歩いて帰った。



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