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ep.1 私がデンマークに留学した理由

皆さんはじめまして!あいりといいます。
2023年の8月から、デンマークのコペンハーゲンに交換留学しております!🇩🇰
どうぞよろしくお願いします!\(^O^)/


簡単な自己紹介

まず、簡単に私自身の自己紹介をさせてください!

出身は山形県、所属は、お茶の水女子大学大学院の修士課程1年生です。
専攻はジェンダー社会科学で、修士論文執筆に向けて現在研究を進めているところです。

課外活動としてNPO法人ピルコンという団体に所属し、日本で中高生に性教育を教えたりSNSで広めたりする活動も行っています。
(ピルコンのnoteはこちら👀。専門家をお呼びしての講座や活動報告、性の悩みについての特集など盛りだくさんです!)


そしてデンマークには、2023年の8月から滞在しており、2024年の2月に帰国する予定です。(もう半分がすぎてしまいました、、、早すぎる…)

また現在、北欧研究所というコンサルティング機関でインターンをさせてもらっています!(北欧研究所のnoteもご紹介👀。デンマークを始め、北欧諸国の社会、環境、教育など様々な側面から緻密な分析がなされたレポートが沢山あります。)


好きな物はキャロットケーキ🥕、シナモンロールとカルダモンパン🍞です!(コペンハーゲンはパンが美味しすぎて太りました笑)

趣味は舞台鑑賞、絵を描くこと、動画編集とダイビング🐠です。
(実はYouTubeをやってみたりしてるのでぜひ!)


なぜデンマーク?

さてさて。本題です。
私がなぜデンマークに留学したのか?

それはズバリ。
包括的性教育の現状を学び、ジェンダー平等意識形成のヒントを探る」ためです。


包括的性教育とは

皆さんは、「性教育」と聞いてどのような印象をもちますか?

もしかしたら、

「男女で別れてこそこそやってた記憶・・・」
「保健の授業でテストのために覚えたかも」
「あまり詳しいことは聞かなかったな・・・」

という印象をもつ方が多いかもしれません。

実は、日本の性教育は、世界の性教育スタンダードから比べるとその内容や実践頻度、教員養成の構造に多くの問題点があると言われているのです・・・!!

たとえば、小中学校の学習指導要領にある「はどめ規定」の問題。

小学校5年の理科「人の受精に至る過程は取り扱わないものとする」
中学校1年の保健体育科「妊娠の経過は取り扱わないものとする」

学習指導要領にこのような文言があり、学校の教育の中で「性交」について教えることは基本的に避けられる傾向が続いてきました。

さらに、具体的な知識や情報を教わる機会がないという背景があってか、情報源として若年層は学校よりも友人やSNS媒体を頼りにしているということが分かっています(下図参照)。

一般財団法人日本児童教育振興財団内 日本性教育協会編,2019,「『若者の性』白書」,小学館. より筆者作成


さて、それに反して世界の性教育のスタンダードになっているのは「包括的性教育」というものです。

包括的性教育の定義は様々ありますが、個人的に分かりやすいと思うこちらを引用します。

「性」をセックスや出産のことに限定せず、他者との関わりなど人間の心理的・社会的・文化的な面も含めて、広く人権に関わる問題として捉える性教育の理念のこと

太田啓子,2018,「これからの男の子たちへ『男らしさ』から自由になるためのレッスン」,大月書店

私がここで大切だと思うのは、包括的性教育は「人権」の話であるということです。人権とは、法務省の定義によれば「全ての人間が人間の尊厳に基づいて持っている固有の権利」です。

そうです、各人の「尊厳」に関わっているのが性教育ということなのです。

人権とは,すべての人間が,人間の尊厳に基づいて持っている固有の権利である。人権は,社会を構成するすべての人々が個人としての生存と自由を確保し,社会において幸福な生活を営むために,欠かすことのできない権利であるが,それは人間固有の尊厳に由来する。

法務省,人権尊重の理念に関する国民相互の理解を深めるための教育及び啓発に関する施策の総合的な推進に関する基本的事項について(答申)


包括的性教育のカリキュラムのなかで学ぶ項目は、以下の通り、主に8つのキーコンセプトに分かれています。

  1. 人間関係

  2. 価値観、人権、文化、セクシュアリティ

  3. ジェンダーの理解

  4. 暴力と安全確保

  5. 健康とウェルビーイングのためのスキル

  6. 人間の身体と発達

  7. セクシュアリティと性的行動

  8. 性と生殖に関する健康


ここで見て取れるように、包括的性教育は、身体に関する知識、健全な人間関係の構築、性自認や性表現、健康に生きるためのスキル、コミュニケーションの方法など多岐にわたる内容を含んでいます。

私は、これは自己や他者の尊重とともに自分を客観視することにつながり、ひいては「自分がどう生きるのか」ということにつながる学びなのではないかと考えています。
人としての尊厳が自分にも他者にもあることを学び、それを実践していくためのスキルや知識を身につけ、体感していくこと。
それが包括的性教育なのではないか・・・?と思っています。


ジェンダー平等のヒントを探るために

このような教育が実践される環境では、きっとジェンダーに関する意識も影響を受けるのではないか、というのが私自身の仮説です。
つまり、「包括的性教育を通して、ジェンダー規範から自由になる視野を育てられるのではないか」という仮説を持っているのです。

ジェンダーの話題は、誰にでも関わるものです。
「女らしさ」「男らしさ」、そういった「らしさ=規範」の呪縛は、時に自分らしく生きることを疎外し、生きづらさを産みます。時には、人としての尊厳、人権まで奪う結果を招いてしまうこともあります。

様々な側面から人権について学び実践することを目指す「包括的性教育」は、ジェンダー規範に対する捉え方を変容させる可能性があるのではないか・・・?
というのが、今の私の考えです。


デンマークを選んだ理由

デンマークでは、1970年に義務教育内で性教育を実施することが義務づけられ、現在1年生から10年生まで(日本で言う小学1年生から中学卒業程度の年齢)、学校教育内でのカリキュラム枠が設定されています。また2023年の8月1日からは、高等学校での性教育も義務化されました。

この状況を日本と比較してみると、とても進んだ教育が行われているように見えます。

しかし、課題も多くあるというのが現状です。

たとえば、性教育は義務化されたものの、

  • 学校現場の先生によって授業の質や内容が異なっていたり

  • 先生自身もきちんと教えられるかどうかに自信がなかったり

  • きちんと教員養成課程において性教育を教える技術を提供する機会がなかったり

という問題があると言われています。

デンマークもまだまだ発展の渦中にあります。でもそれでも、日本の「少し先」を行く国であるのは間違いありません

「どんな風に授業が行われているんだろう・・・?」
「先生は、生徒達とどういうテンションで授業を行っているんだろう?」
「この教育実践が、生徒のジェンダー観にどう影響しているんだろう?」

というようなことを、少し先の日本を見るような感覚で学びたい・・・!✨
この先の日本の性教育を改善・発展するヒント、そして包括的性教育の現状を学びジェンダー規範への影響を考えるヒントを得たい・・・!✨

そんな私の思いに、最適なのでなないかと考えたのです。
というわけで、デンマークへの留学をすることに決めました✈!


noteを始めた理由

さて、このnoteはいわば<心の声の備忘録>として活用していこうと思っています!

というのも、自分自身が日々暮らしている中で、「自分がそのときどう感じたか?」「何を思ったか?」ということは時が経つと忘れて言ってしまうなということに気づいたからです。

風景や目にしたことはスマホの写真やビデオで撮ることが出来るので良いのですが、その風景を見てどう思ったか?という部分が抜けてしまうなぁということをひしひしと感じていました・・・(T-T)

そのため、今回、留学中の出来事を通して感じた心のなかの声を言語化するために、noteを始めることにしました!
読みやすい文章を書くように、また興味がひかれるような話題を提供できるように心がけますので、楽しみにお待ちくださればと思います📖



さてさて、ここまで読んでくださりありがとうございました!!

これからこのnoteを通して、性教育に関わることのみならず、日々の生活の中で思ったこと・感じたこと・びっくりしたこと・言葉として残しておきたいことなどを発信していこうと思います。

それではまた~~~✨(*^o^*)(^_^)ノ


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