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会社を変える分析の力①分析に関する勘違い

4回に分けて書籍『会社を変える分析の力』のブックレビューをしたいと思います。
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数学力がなくても分析はできる

はい、コレさまざまな書籍やブログでも見かけるフレーズですね。
ただしコレは決して数学力がゼロで良いという事ではないのです。確かにエクセルを代表とする便利なツールの進化によって分析業務はそれ以前と比べて容易になりました。そしてビジネスが複雑化したことで、データ分析をする際にビジネス知識が求められるようになりました。その結果として相対的に数学力の重要度が下がっただけです。
本書でも分析が出来るだけでは不十分で、価値を示す必要があると述べています。

データ分析に対する勘違い

本書では勘違いしている人の2パターンを示しています。
手段が目的化している人と、数値計算こそがデータ分析だと思っている人です。
データ分析の目的は正しい意思決定をするための示唆を示すことであり、その影響の大きさがデータ分析の価値です。しかし分析すること自体が目的になっている分析官が多いと嘆いていました。

分析の価値とは

上記の最後に触れた分析の価値について深堀します。
これは簡単な式で表せます。
分析の価値 = 意思決定への寄与度 × 意思決定の重要性
以上です。
そして寄与度とは意思決定のための判断材料としての有効性の高さであり、重要性とはビジネスインパクトとなります。
大規模なデータを使うことや高度な分析モデルを使うことが必須ということではありません。
また、筆者はモデルは所詮プラモデルだとも書いています。どれだけ精密に作成したとしても、プラモデルの自動車で実施した安全テストの結果で安全性が担保できない。所詮はプラモデルでしかないと。

機械学習とビッグデータ

筆者は機械学習とビッグデータについても示唆に富んだ見解を述べています。
先ずは機械学習です。機械学習は投入されたデータに対してマシンがモデルを選択して計算結果を返す仕組みです。つまりデータを投入するのも人間であるし、意思決定に使うモデルを採用するのも人間です。従って機械学習だからといってブラックボックス化することは分析官として未熟だと自白しているのと同義です。
次がビッグデータです。ビッグデータは何やら打ち出の小槌の様に考えている人もいるようです。何せペタバイト単位のデータですから。
しかし、これらはむしろ未開の地だととらえる方が良いようです。
これまではマシン性能の問題から部分的にしか計測できなかったことが全数計測が可能になったからです。つまり都内在住の40代男性の会社員とくくられていた私を個人としての私として分析出来るようになったのです。
結果としてこれまでは因果関係を調べていたが相関関係を調べるようになりました。
つまり気温・降水量・カレンダーという因果関係でフラペチーノの売り上げを予測する手法に加え、個人の購買履歴からフラペチーノの売り上げを予測する手法も使えるようになったといった感じです。

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