セルフ・コンパッションとダニング=クルーガー効果

セルフ・コンパッション

社会心理学者であるエイミー・カディさんがTEDで語った有名なフレーズ「Fake it until you make it.」これは自信のない方が、成功するために心に刻みたい言葉。最近ではもう少し優しくセルフ・コンパッション(あるがままの自分を受け入れる)という言葉が使われています。

ダニエル=クルーガー効果

一方、古くからビジネスの場で問題とされてきたダニエル=クルーガー効果というものがあります。心理学の世界では『事故を過大評価する認知バイアス』と説明されています。要するに仕事ができないのに自信過剰なヤツです。皆さんの職場にもいるのではないでしょうか。それも管理職として。
5万名以上のビジネスマンを対象としたとある調査によると、80~85%のビジネスマンが自分は同業者の上位20%に含まれると考えていたそうです。

混ぜるな危険

人間を『能力』と『自信』という二つの属性で分けると4パターンの人間に分かれます。
Aグループ 能力:高×自信:高
Bグループ 能力:高×自信:低
Cグループ 能力:低×自信:高
Dグループ 能力:低×自信:低
そして会社における彼らはAグループは『嫌な上司』、Bグループは『頼りない上司』、Cグループは『問題児』、Dグループは『従順な部下』となります。かなり強引なレッテル貼りですが。
そして強弱はありますが、全てのグループのメンバーにダニング=クルーガー効果が働いています。
そしてここからが問題です。以前の職場は外資だったこともあって、能力開発は可能だというgrowth mindsetという考え方が定着していました。本来は自信のない人に適度な自信を与える効果のあるセルフ・コンパッションが、ダニング=クルーガー効果を強める働きをしてしまったのです。

生み出されたカオス

その結果、どうなったか。
一部の嫌な上司は更に増長して社内政治にのめり込み、何人かの問題児が昇進し始め、従順な部下は問題児になりました。
そんな中でも優秀で自信を持ったBグループが活躍し始めたのが救いでしょうか。
ただこの流れが続くと企業自体の競争力が失われていくのは誰の目からも明らかです。

あなたの会社は大丈夫ですか?

参考文献としてエイミー・カディさんのTEDトークのリンクを貼っておきます。
https://www.ted.com/talks/amy_cuddy_your_body_language_may_shape_who_you_are

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