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あなたの”ちょっと”とわたしの”ちょっと”

24週・563gの超未熟児として
生まれたわたしの息子は
発達が遅く、6ヶ月間の入院後、
療育(運動や言語のリハビリ)に通っていた。

最初に行った病院で
おもちゃで遊んだり、
運動したりしてたけど

これが一体何につながるのか
説明があまりなかったから
よくわからなくて

お医者さんに言われるがまま
通っていたけど
わたしはなんだか無意味な気がしてた。

が、息子が3歳の時に
引っ越しをして、新しい病院に
通うことになったのだけど

そこの言語聴覚士の先生に出会って
初めてわたしは療育の素晴らしさを実感した。

すぐに泣き喚いて
こちらの話を聞いてくれない息子との
コミュニケーションにヘトヘトに
なっていたわたしは

ため息をつきながら先生に愚痴った。

「ちょっと待って、って言っても
わめきちらして
全然言うこと聞いてくれないんです・・・」

先生はにっこり微笑みながら

「言うこと聞いてくれんと
お母さんも大変やよね。
どうしていいかわからんくなるよね。」


わたしの気持ちを受け止めてくれてから
優しい声で

「”ちょっと”って難しいと思わん?
だって、多分、わたしの”ちょっと”と
お母さんの”ちょっと”って違うよね?」

と、言った。

この時の衝撃は忘れられない。


「ホントやーーー!!!!」


病院にいることも忘れて叫んだ。

わたしはカウンセラーを仕事にしてるから
悩みを聞くことを通して

”つらいんです”

と言うその人のつらさは
人によって違うから

何がどうつらいのか
そのつらさによってどんな
思考が生まれているのか

丁寧に聞かなければいけないと
知っていたのに

息子に対しては
すごく無茶な要求をしていたんだなあと
鈍器で頭を殴られたような気持ちになった。


「だからさ、これからは
”10数えるまで待って”
って言ってみて?」


笑顔を絶やさずそんな
素敵な提案をしてくれた先生が
その時のわたしには女神様に見えた。

それからわたしは毎月1回の
療育がわたしの救いになって

日々の育児の中で
どうしていいかわからなかったことや
息子ができるようになったことを
先生に話し、教えをこい、
どうにか日々を過ごすことができたなあと思う。

やってたこと(運動とか言葉の勉強とか)は
最初の病院と後の病院では
ほとんど変わらなかったけど

同じツールも使い手によって
こんなにも変わるんだと驚愕した。
(受取手の問題も多分にある)

障害児の育児は何かと
不便や苦悩が多いかもしれないけど

助けの手はあちこちにあるから

これからもその手を上手に掴んで

助けてもらいながら生きて行こうね。

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↑フルーツ盛り合わせに大喜び

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