ハントマン・ヴァーサス・マンハント(邦題:吸血貴族どものゲーム)第141わ「品評」
吸血女の無事を知って、俺は不覚にも安堵してしまっていた。他意は無い。彼女が死ぬときは俺が殺されるときなのだから。
「命令……もちろん忘れてはおりませぬ」
「その前に少し腹ごしらえをと思ったまで……」
何かがおかしい。青い炎に包まれながらも二人組は平然と会話を続けている。こいつら、並のハントマンよりも頑丈なのか。
「あなた達には身動きのとれない私の……パートナーの世話をするように言ったでしょう!?何ですか、『味は良さそう』とか、『横取りされる前に頂こう』とか!!」
「この者が……お嬢様のパートナーなのですか?」
「これは早合点をしてしまいました」
「「数年ぶりに我らに食事を与えてくださったものとばかり……」」
……こいつら、吸血女の手勢だったのか。どうやらマッチポンプを仕掛けたつもりでは無さそうだが。どういうボタンの掛け違いだ?
「何せ、お嬢様の歴代パートナーの皆様は」
「彫像めいた美男子ばかりでしたゆえ……」
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