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ハントマン・ヴァーサス・マンハント(邦題:吸血貴族どものゲーム)第20わ「さよならも言えずに」

承前

乾ききった佐々木の死体に、腕章を付けた❝マンハント❞どもが(まさにホラー映画のゾンビそのものだ)が群がっていくのを眺めながら、俺は相棒に引きずられて今宵の戦場から退場することになった。

「今日のダンナは大金星でしたよ!ニンゲンハントマンに一矢報いるなんて、滅多にあることではないのですから!」

心の底から嬉しそうで誇らしそうな相棒の声。映画ならば『ただの家畜が、ここまで健闘するとは思わなかった』と字幕が表示されているシーンだろう。大体、その「ダンナ」というのは一体全体、何なのだ。

「え?ご主人様って呼ばれるのは、お嫌いなのでしょう?」

確かに、ご主人様よりはマシかもしれないが。

「そういうダンナも、まだ私の呼び方を決めていらっしゃいませんよね?困りますよ、そういうのは!いつまでも『相棒』とか『お前』とか『あんた』なんて呼び方は嫌ですから!」

もう何か言い返してやる気力も無い。何よりも睡眠が欲しかった。

続く

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