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懐かしむ気持ちと現実逃避

小学校からの幼馴染に顔がモアイに似た男がいる。
出会ってから、かれこれ20年になる。僕の好きな鉄道を一緒に楽しんだ訳でも、一緒に野球をプレーしていた訳でもない。なぜ一緒に遊ぶようになったのか分からないが、今でもお互いの近況を盛ることも卑下することもなく話せる大事な友人だ。

悩みがある時彼にたまに電話するのだが、ポイントポイントで心に響く言葉を言ってくれる。例えばこんな言葉がある。
「懐かしむってことは現状に不満があったり、悩んでたり、現実逃避したいときだよね。懐かしむ時って大体いい思い出。現状に満足してたらそんなことする必要もないもん。」

僕は最近グーグルマップで昔住んでいた場所をよく巡る。
「昔ここ通ったなぁ」
「あいつの家はこの辺よね…」
なんて呟きながら道を辿る度にその頃の記憶がどんどん思い起こされる。

正直不満はたくさんある。うっぷんに近いのかもしれない。そして現実から逃げ出したくなる日もある。ボーッとしていて時間が過ぎるときもある。
「懐かしむこと」が心の状態を表すバロメーターなのだとしたら、現実逃避に走りそうになる自分の心はきっと自分がイメージした以上に荒れているのかもしれない。心が荒れれば当然気力もモチベーションも下がってしまう。

もちろん課題や積み残しの無いようにその都度取組むことが何よりだと思っている。
でも僕にとって大事な仲間と過ごした時間や場所を巡ることが、例え今の自分の負の感情のバロメーターだとしても、思い出すという時間を心ゆくまで楽しみたい。

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