母の日はマトリョーシカ

「ママ,早く。一緒にお花屋さん行こう」
朝から子どもはソワソワしていて,わたしの支度を待っていた。自分のお小遣いで買った銀色の長財布の中のお金を毎日数えることが彼の日課だ。

母親になると,自分のことは後回しになって,支度に異常に時間がかかることに気づいたが,その日も意図していないのに,家を出たのは予定時間よりだいぶ後だった。

近所の花屋に着くと,彼はお店の中にわたしを誘った。

一週間前の日曜日は母の日だった。SNS上には,母の日によせた投稿があふれた。わたしも,小さい頃から,きょうだいや父親と一緒に母親にお花をプレゼントし,結婚して実家から遠く離れていてもお花を忘れていない限りは贈っている。たまに,忘れるけれど。

今年は,初めて子どもからお花をもらった。正確に言えば,彼が欲しいお花を彼が買って,そのブーケを食卓に飾るからそれを「眺める権利」をもらった。

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論文や所見書き、心理面接にまみれているカシ丸の言葉の力で、読んだ人をほっとエンパワメントできたら嬉しく思います。