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2021年500DL未満フリゲ発掘大会に参加した話

はじめに

先月の終わりに突如して、500DL未満フリゲ発掘大会という企画がTwitterのTLに流れてきた。
この企画はダウンロード数orプレイ回数が累計500未満の自作ゲームのみ応募することができる。
あまり見ないタイプのゲーム掲載系企画だ。

僕は当企画に参加し、ゲームを1から作って申請した。
RPGツクールMV製のゲーム・・・

<ちょっと魔王ぶっ飛ばしてくる>
<ちょっとアイツをぶっ飛ばしてくる~魔王軍残党討伐編~>

の2本である。
本記事は、当企画の感想とこれらのゲームの制作秘話を紹介する。


まずは感謝をしたい

500DL未満フリゲ発掘大会を主催・運営のかかし、本当にお疲れ様でした。
そして、ありがとうございました。

僕は当企画のおかげで数年ぶりにツクールでゲームを作り、短い期限内にどうやって完成させるか考えることができた。
僕はある諸事情で今年は制作納めにしようとしたところ当企画が現れ、僕はヘトヘトの状態で作ることになったが、今となっては参加して良かったと思っている。
加え、当企画のおかげで1年ぶりの自作ゲームを配信することができたので感謝している。

そして500DL突破したゲームと製作者様、おめでとうございます。
フリゲや動画、イラストなどが数字に伸び悩んでいる昨今、500を突破したゲームがあることについてめでたいと思っている。
それほど現代は人気や実績を作ることが難しくなっている。

なので、500DLを突破した製作者もそうでない製作者も、これからも創作を続けてほしいし、いつか人気という花が咲くことを僕は祈り続ける。


ちょっ飛ば制作秘話

参加するきっかけ

<ちょっと魔王ぶっ飛ばしてくる>
<ちょっとアイツをぶっ飛ばしてくる~魔王軍残党討伐編~>
これらは名前が長すぎなので、<ちょっ飛ば>と略す。

当企画に参加する前、11月の終わりぐらいのこと。
僕は今年からある合同ゲーム制作企画に参加していた。
その企画はだいぶ大詰めで、僕が作っているゲーム内のステージがようやく完成し、頭と精神がヘトヘトの状態だった。
そこで今年はもう制作納めにしようと思いツイートをした。

それから数日後にTwitterのTLに500DL未満フリゲ発掘大会が現れたのだ。
僕は過去に出したゲームたちのプレイ数を確認し、揃って500DLを超えていた
<ふりーむ>や<PLicy>、<アツマール>など、複数に掲載されているゲームの合計プレイ・DL数が500を超えているゲームに、参加する権利は無い。
さらに11月20日~12月4日までの期間しかない。

つまり僕の場合、新規にゲームを作る必要が出てきた。しかも急ピッチに


プラットフォームとゲームエンジン選び

僕はゲームを作る時に無意識に考えていることがある。
それはどのゲーム掲載サイト(以下プラットフォーム)に出し、それに対応したゲーム制作ソフト(以下ゲームエンジン)の内どれで作るか。

最初の企画のスタートラインはいつもここから始まる。
僕は主にHTML5のブラゲーを出していて、<CF2.5>からブラゲー一辺倒になっている。
理由はブラゲーはダウンロードするよりサッと遊べて、さらに<PLicy>という強力なプラットフォームで出せるからだ。
<PLicy>は2013年頃からある、ツクールやウディタをはじめ、CF2.5、Unityなどのゲームエンジンで作られたゲームをブラウザでプレイできるプラットフォームだ。

僕はPLicy黎明期からお世話になっている。
審査は無く、アップロードしたら30分未満でゲームが掲載され配信される。
<ふりーむ>のような審査があり1日以上かかるプラットフォームとは違い、スピーディかつプレイされやすく、さらにスマホでもゲームをプレイできる幅広さが魅力だ。
黎明期と比べると勢いは落ちているものの、それでも人気だ。


それで、僕はまず<PLicy>で掲載できて、サクッと遊べるゲームを考えた。
<CF2.5>で作るか、あるいは<Unity>にしようか、まずはこの2つのゲームエンジンが候補となった。

しかし両者には欠点がある。
まず<CF2.5>は情報が少なく、アクションゲームとか複雑な動きをするゲームを作るのが難しい。
さらにシステムを組む時のUIがわかりにくく管理しにくいので、総合的に作りづらい。
メリットとして、ブラウザ時の読み込み速度は早い方だ。

次に<Unity>は相対的に作りやすいゲームエンジンだ。
もともとのプリセットが優秀かつ、アセットストアや解説など情報が豊富だ。
しかし大きな欠点がある。
<Unity>はC#かJavascriptでコーディングが必要だ。
あれはVBAと比べてストレスがかなりかかるし、脳への負担が大きくなる。
エラーだって分かりづらいのでエラーコードをググる必要だってある。

さらになぜか僕はC#のコードが中々インプットされず、知識として習得できない。
そのせいで時間がかかってしまう。

そして問題点としてHTML5の場合、読み込みが長い。
そのせいか<Unity>の読み込み画面でゲームが止まっているようなスクショが<PLicy>のコメント欄で見かける。

つまりまとめると、

CF2.5はUIが見づらく情報が無いから作りづらい。
Unityは作りやすいんだけどコード必須で疲れる。

ということでこの2つは見送りとなった。


プレイヤー層の問題

僕は意地でも<PLicy>に拘るのには理由がある。
<ふりーむ>などの他のプラットフォームが弱いことだ。

僕が出してるゲームの数字の伸びで<PLicy>と比較し、<PLicy>側が数百~2000代とかなり伸びが良いのに対し、<ふりーむ>は100行くか行かないかだ。
さらに前述したように<ふりーむ>は審査があり、何かしらの理由でリジェクトを食らうと再申請しなくてはならず、そのせいでかなり時間がかかる場合がある。

僕の得意分野として、HTML5に対応していない<アクエディ4>を10年以上使っているので情報無しで作れる。
しかしどうしても弱いプラットフォームでしか選択肢が無いので作る気が出ないし、スマホ対応できないのはそのプレイヤー層を損切りすることになるので厳しい
無名が多くのユーザーに自分の作品を認知し、遊んでもらうためには多くのプラットフォームに掲載し、PC・スマホ両方のプレイヤー層を確保するに越したことは無いのだ。


僕が本当にツクりたいもの

これらを考慮し、最終的に<ツクールMV>が残った。
確かに<ツクールMV>はその条件を揃っている。
<PLicy>に掲載できて、PC・スマホ両方プレイできる。
さらにコードを使わず作れるし、Javascriptでできたプラグインを借りれば補えるし、遊びの選択肢も広がる。
もっと言えば情報も豊富で人気なシリーズかつ、人口は多いしツクールフォーラムなどコミュニティもある。
ある意味、最適解ともいえる。

しかし僕はRPGは得意ではない。
僕は主にアクションやマウスでプレイするゲームを取り扱う。
今までツクールで作ろうと試みたが、どれもエターナってしまった。
なので僕はツクールでゲームを完成できるのか、疑問と不安を感じた。

そこで、今まで自分がやってきたツクールゲーを振り返ることにした。
ギャグ&シリアスの塩梅が素晴らしい<D&D>、遊びやすかった<リーフ村村長物語>、そして・・・2ちゃんねるのVIPツクスレにある<もしも>シリーズだ。

その中で思い出深かったのは<もしも>シリーズだった。
<もしも>シリーズとは勇者アレックスが魔王を倒すべく敵をぶっ飛ばして進むゲームシリーズで、<もしも勇者が最強だったら>から始まり、スレ住民がそれを軸に自由に作り、独特の世界観が築き上げている。
その系列のゲームを色々遊び、時には笑い、僕の中学生時代にとって光の一部だった。

僕は考えた結果、自分があの時楽しいと感じたゲームを作ることに決めた。
そう、<もしも>シリーズをリスペクトしたゲームを作ることになった。
それが必然的に僕が本当にツクりたいものになった。


制作時間、僅か半日

そうと決めてからの行動は速かった。
<ちょっ飛ば>の制作を開始した。

まず接触すると敵がぶっ飛ぶ単純な仕組みを作る。
それをフィールドに沢山配置する。
以上の繰り返しだ。

会話とかは完全に雰囲気で、脊椎反射のように直感で文章を作る。
僕が得意としている脊椎スタイルで、シナリオは皆無だ。


次にキャラはずっと昔からゲームで出す予定(勿論エターナった)のキャラにした。

左下の子が主人公

<ちょっ飛ば>の主人公、リンネル・パイロちゃん。
この子は中学生時代に作ったが、エターナったせいでずっと彷徨っていた。
その子に急遽救いの手を差し伸べ、10数年の時を得てようやく主役として産声をあげたのだ。

さらにこの子は紅蓮術師、いわば炎を扱う魔法使いなのだが、<もしも>シリーズのぶっ飛ばしと爆発の相性がいいと思ったので、炎というより爆発をメインにするキャラとして確立した。

大量の敵が爆発しつつ吹っ飛ぶ姿は見ていて気持ちいい。

さらにこのゲームにはセルフオマージュがある。
2014年にRmakeというプラットフォームで作った<ちょっと暴れてくる!>(https://rmake.jp/games/26574/play)というゲームだ。

残念ながらフラッシュゲーなのかプレイできなかったので記憶を頼りに説明するが、このゲームも主人公が敵をぶっ飛ばして無双するタイプのゲームで、<ちょっ飛ば>シリーズの元祖にあたる。
当時から<もしも>シリーズに影響受けているのが分かる。

<もしも>、<リンネル>、<ちょっと暴れてくる!>
これらをリスペクトし組み合わせて作られた<ちょっ飛ば>は、僅か半日で完成した。
僕は数々のツクールゲーをエターナって不安を抱いていたが、このゲームがその不安をもろともぶっ飛ばしたのだ

僕はひつじソフトというゲームブランドで配信していて、主にCF2.5を中心に作ってきた。
その中にCF2.5の垣根を超え、ツクールMV製の<ちょっ飛ば>シリーズが新規IPとして仲間入りを果たしたのだ。

その後期間に余裕ができたので続編の<~魔王軍残党討伐編~>を作った。
こちらはボス戦を採用してるのでかなり時間かかったが、終了する前日に滑り込みセーフで間に合った。


あとがき

ここまで読んでくれてありがとうございます。
僕ははじめにで書いたように、当企画に参加できて良かったと思っている。


もし僕が<もしも>シリーズをプレイしなかったら、

もし<リンネル>を生き返そうとしなかったら、

もしRmakeで<ちょっと暴れてくる!>を作らなかったら、

そして、当企画がもし出会わなかったら、僕は一生ツクールでゲームを作れなかっただろう。

<ちょっ飛ば>シリーズは現時点(2021年12月)で500DLを行ってないが、僕に新たな選択肢が増えただけでも儲けものだと思っている。

それに<ちょっ飛ば>シリーズは、実は企画書が存在しない。
完全に雰囲気だけで作っている。

でも、その方が僕にとって相性がいいのかもしれない。
その方が考えることを少なくできるし、システムの設計に専念できるから。

僕がCF2.5で作ってきたゲームはどれもシナリオとか無くフレイバー程度で、システム=遊びがメインだ。
ツクールMVで自分らしいスタイルで作れることができただけでも、良い経験になった。

来年も500DL未満フリゲ発掘大会が開催されるらしいので、その時も参加しようと思う。


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