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【クウェート#44】冬休みはもうすぐ

12月20日(水)

久しぶりに授業でプリントが配られた。今日の授業はこれを使って進めるようだ。
しかし明らかに枚数が足りない。

仕方がないのでスマホで撮影した。なんともクウェートらしい。

明日テストをするらしい。

「テストは人生を決めないのさ。」

そう豪語するスリランカのサージドは、おそらく本当に勉強していない。
私は流石に少しだけ勉強した。

携帯回線の名前がMISHAL ALKHAILに変わった。次の首長の名前である。
Kindleで『NHKにようこそ!』を読んだ。昨日、ムハンマドとの会話の中で出てきて気になっていた。オタクの知識には圧倒されるばかりだ。

12月21日(木)

教室に向かう。試験開始ギリギリの時間だ。

何故か教室からナイジェリア三兄弟が、「テスト無いよ」と言いながら出てきた。どういうことだろうか。

意味不明な状況の理由はすぐに判明した。
テスト用紙が足りていないのである!そのため、先着順で紙が配布され、相対的に遅い学生は受験できないようだ。

私たちは日曜に受験することになった。

昨日も紙が足りなかったが、どうやら改善はされなかったらしい。
「試験会場にテストが十分にある」ということのありがたみを私は痛感している。

トルコのムスタファと、桜井と共に帰宅した。

「最高の大学だぜ。」

ムスタファは呟いた。
これは皮肉なのか、はたまた試験が延期されたことへの喜びなのか。

オオカミのジェスチャーをするムスタファ

部屋で寝転がっていると、スリランカのサージドから電話が来た。

彼はリスクを負って、試験中に電話してくれたのだ。義侠心に溢れる男だ。

「どうやら教授は紙を用意したみてぇだけど、紙の枚数が十分かはわからねぇぜ。」

友の心意気を無碍にする訳にはいかない。
ナイジェリアの四人組(気づいたらナイジェリアの学生が一人増えていた)と再び教室に向かった。

幸いにも、私は試験を受けることができた。 
しかし何人かは試験用紙が足りなかったため、再度受験を拒否されてしまった。

試験は2時間あり、合間に10分の休憩が設けられた。
休み時間には、試験をGoogle翻訳にかける者、辞書をひく者、相談し合う者で溢れた。

「喧々囂々」という単語を試験の休憩時間を形容するのに使うことはあるまい。
そもそも、試験の休憩時間とは何であろうか。

「こういう試験があっても良いよね。」

そう結論付けるのは、安易な相対主義なのだろうか?そもそもこれは試験なのだろうか?

終了後、各自で試験用紙を持ち帰る運びになった。


その後、教室でシークレットサンタをした。

お菓子

喪に服しているため、文字通りシークレットに行わなくてはいけなかった。


12月22日(金)

今日はムバラキーヤに遊びに行った。

新しい首長
冬用の黒いディスダーシャ買った。6KD。
アクティブ・マン

広場で物想いに耽っていると、怪しい男女のクウェート人に話しかけられた。

「お一人のようですが、観光の方ですか?」

直感的に観光客向けの詐欺だと思った。2人とも派手な格好をしている。男は長髪で、女はヒジャブをつけていない。
見るからに尋常のクウェート人とは異なる。

「はい、観光客です。クウェートのことは全然分かりません。」

私はそう答えた。

「それでしたら、ぜひ案内させてください。丁度クウェート観光客向けのツアーを明日する予定でして、私たちにとっても練習になるのです。」

クウェートに観光客などいるものか。
しかし、詐欺師についていけば、面白いネタの一つや二つ、手に入るに違いない。私はついて行った。

怪しい二人

最初に連れて行かれたのは貴金属店だった。
いきなり高価な物を買わせようとするのは、流石に露骨ではないだろうか。

加工法がどうのこうの、もったいぶって説明している。早くアクセサリーを売りつければ良いのに。

しかしどういうわけか、セールストークが始まる前に次の店に移ってしまった。

古いクウェートの紙幣

その後、換金店や銀行(NBK クウェートナショナルバンク発祥の地が印象深い)など怪しい施設を巡ったが、一向にお金を奪われることはなかった。


それどころか、熱々のキャラク(砂糖をたっぷり入れたミルクティー)をご馳走になった。

キャラクは大人気
昔の公立学校


本当に観光案内の練習だったようだ。少しだけ、私は申し訳なく思う。

2人はインフルエンサーだったようだ。

記憶に残っているのは、クウェートで有名な魚を教えてもらったことだ。
Hamuur, Zbaidi, Subuut, Baruur。

いつか食べてみよう。

夜の街並み

桜井と合流して、アルシャマムレストランでエビ料理を食べた。

桜井はカレー粉を調合してもらったらしい。

イラン人が店主なのでペルシア語で会話したところ、値切りに成功したとのこと。値切りテクニックは無限にある。

レバノン人の店員は勝手に粉を付け足してしまったため、未知の粉末が出来上がったそうだ。

食べるのが楽しみである。

強気な価格設定のパチモン

12月23日(土)

クウェート人のユースフさん、ロシアムハンマド、バットとともに、Sheikh Abdullah Al Salem Cultural Centre に行った。

チケットは車から買う
自然科学系の展示物が多かった。

アニメで日本語学んだ学芸員がいた。
全員が日本語を使うという、クウェートにあってある種の異常空間が出来上がった。

水族館

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